痴漢でっちあげ事件 」でのコメントで右傾化についての質問があったので、右傾化について詳しく書くことにする。


この右傾化は、眼窩前頭葉の障害から説明しなければならないのだが、眼窩前頭葉は衝動をコントロールする部分である。

ここに障害が起きると衝動をコントロール出来なくなり攻撃的になる。

その障害の原因として、幼年期の虐待、精神疾患、外的要因による脳の損傷がある。

交通事故などの外的要因の場合「高次脳機能障害」とも呼ばれるので、高次脳機能障害の病状と類似している。


少し話は変わるが、893になる人達や無差別殺傷事件を起こす犯人達には、健全な家庭環境で育った人はまずいない。

幼年期に虐待を受けているケースが多い。

その虐待も、説明が必要なのだが、肉体的虐待に限らず、精神的虐待と言うのもある。

好きな事をさせずに勉強漬けにする事も精神的虐待になる。


また「子供は親の鏡」言う言葉が有る様に、子供は授乳期や幼年期の頃から親の感情を理解しようとする。

その時に、親の感情が子供の心に投影されてしまう。

例えば、子供が親にコミュニケーションを求めた時に、親が拒絶すれば子供も親にコミュニケーションを求めなくなる。

つまり、親にとっての良い子を演じるようになる

それは、本来の自分を押し殺し、別の自分を演じ続けなければならず、それが解離性同一性障害の要因となりこれも継続的精神ストレスになる。

これも一種の精神的虐待といえる。


つまり、893も含めて傷害や殺人などを起す人はほとんどこのケースに入る。

家庭環境に何の不満も持たない人が893にはならないだろう。

(他人から見る家庭環境ではなく、本人が満足している家庭環境)


その脳の損傷はコルチゾールであると考えられる。

コルチゾールはストレス物質で、ストレスを受けると分泌される。

このコルチゾールが分泌されると血行が悪くなり、脳細胞を破壊して行く。

また、コルチゾールがセロトニン再取り込み口を塞ぎ、セロトニンが減少する。

つまり「鬱」になる。


肉体的虐待も精神的虐待もストレスであり、何時また虐待に遭うかと不安に脅える日々もストレスだ。

それは継続的ストレスと言う状態で、コルチゾールが供給され続ける事になり、脳細胞に障害が出る。


もう一つ正反対のケースがある。

それが何不自由なくわがままに育った場合だ。

基本的には自己愛性パーソナル障害の無自覚タイプなのだが、満足出来る環境にいる時は自己愛が満たされえストレスを感じないのだが、自己愛が満たされない環境になるとストレスを感じ始める。


例えば、ある程度経済的に裕福で、成績も優秀な人が学校を卒業して社会人になった時に、自己愛が満たされる状態を保てればストレスを感じないが、自己愛が満たされない状態になった時にストレスを感じ始める。

しかし、そんな恵まれた環境など皆無に等しく、継続的精神ストレスの状態になり、コルチゾールが供給され続ける事になる。


環境は異なるが、発症メカニズムは同じだ。


つまり、街宣系の右の人も同じメカニズムによる物で「=」と言う事になる。

(「=」の経緯は痴漢でっちあげ事件 参照)


基本的には、自分の衝動に対する意味付けなので思考形態として論ずるのはあまり意味を持たないのだが、彼等は病気の前にパーソナル障害を持っている。

それゆえ、思考の中心には常に自分が存在する。

それは、自分を取り巻く環境にも当てはまり、その延長に国家がある。

つまり国家の中心に自分がいる訳で、自分にストレスをもたらす物が外敵となる。

その外敵は何時まで待ってもいなくならないから、強制的に排除したい衝動が右傾化となる。


ここで、もう一つ攻撃性に関係する脳内ホルモンの存在を念頭に置くべきだろう。

それが、アドレナリン。

私は学者ではないのでその関連性まで調べられないが、アドレナリンは「闘争か逃走」のホルモンと言われる。

究極の逃走は「死」であり、究極の闘争は「相手の死」である。


鬱や躁鬱等の精神疾患を抱える人には自殺者が多い、自殺者の50%が鬱といわれている程だ。

また、無差別殺傷事件を犯す人のほとんどに、精神疾患が見受けられる。

精神的に逃げ場がなくなると、逃走か闘争の選択をする事になりるのだろう。


右傾化はまだ精神的に余裕がある人、と言うより攻撃性から来る右傾化で、何かに対して攻撃的な言動をする事で、溜まった精神ストレスを発散し精神のバランスを取っているのだろう。




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