私は著書の中で、ストーカーと言う言葉は「好きな人にされると嬉しい事を嫌いな人からされる行為」と書いているが、実に自己中心的な主観的言葉である。


それは、浮気調査の時に実感する。


奥さんが浮気をしている場合、旦那が尾行したりする。

そして失敗を重ねて、自分で出来無い事が分かり、探偵社に依頼してくる場合が結構ある。


そんな時は、相手はすでに警戒しているので、尾行は非常に困難になる。

しかも、予算が少なければ人員を増やす事も、車を増やす事も、日数を増やす事も出来ない。

まあ、自分で調べようとする位だから、最初から予算が無いと見たほうが良い。


そんな時は、尾行がばれる事を前提にした一発勝負の尾行をする。


当然バレル。


しかし、バレタ時の対応が面白い。


そんな時は、警察に「ストーカーされています」と通報される場合が多い。


探偵社は、旦那からの依頼で尾行をしている為「尾行の根拠」がある。

探偵社の尾行行為は、探偵業法でも認められているが、不倫は法的にも認められていない。

法的に認められていないから、慰謝料の請求が出来る訳だ。


つまり「自分の事は棚に上げている」と言う事なのだろう。

と言うより、被害者意識だけで、そんな認識すらしていないのだろう。


実際のストーカーには、結構こう言った要素が多分に有る。

確かに、全く知らない相手に付け狙われるケースもあるが、そう言った本物の被害者と、自分の事を棚に上げている被害者を区別する必要があると思う。


自分の事を棚に上げている被害者と言うのはアッシーとして使っていたり、プレゼントなどをねだるだけねだって質入していたり、援交を匂わせて金だけ取って逃げていたり、金を借りて踏み倒していたり、そんな事をしておきながら、そう言った人たちから追われると「ストーカー」と言う。


そして、自分がした事は、一切口に出さず、被害だけを訴える。


昔は、ストーカー調査もやっていたが、相手を捕まえて相手からの事情も聞くと酷い話も多い。

「金を貸してと言われて貸した」しかし、女性は「貰った」と言う。

結婚を匂わせて何十万もするバッグや指輪をプレゼントさせて消え、勝手にプレゼンとして来たと言う。


そんな事をしていた依頼者が、決まって言う言葉が「元カレがストーカーして来る」である。


よくよく考えれば「元カレ」と相手を特定していると言う事は「全く知らない相手に付け狙われるケース」ではないと言う事だ。


女性が、そう言った行為をしている場合「詐欺」になる場合もあり、探偵業法で犯罪の手助けになるような仕事は断らなければならないとされており、そんなケースが多かったので、ストーカー調査はやめた。




集団ストーカー―盗聴発見業者が見た真実 (晋遊舎ブラック新書 1)/古牧 和都