番外編21 侍医の報告~とにかく朝までこのまま動かすことはならぬ さっさと良く効く点滴を施せ! | かおり流 もうひとつの「宮」

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「チュ・ジフン&イ・ジュンギな毎日」のまほうの手・かおりが
こっそり書き溜めた「宮」の二次小説を今更公開(四十の誕生日2013/08/18にOPENしました)
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今日は ちょっと笑える太皇太后様とお医者様の会話シーン
シンくんが引退させろ!と 更にチェギョンもセクハラよ!と怒っていた
侍医のおじいちゃん目線のお話です


木曜の朝 冬場の乾いた空気に目が乾くと仰る太皇太后様に 目薬と共に皮膚や粘膜の乾燥に効果的な薬湯をお持ちした折りの事…
「ところで…チェギョンの具合は どうなのじゃ?二人はその…まだなのだろうか…」
「まだ…と申しますと…」
同衾…いや…閨事のことであろうか…
「そなたなら 解ってくれるであろう?シンとチェギョンの合房が失敗だったと知って どれほど残念だった事か… 合房をやり直してはと提案したら キッと冷やかに睨まれたのじゃ…
あんなシンは初めてじゃった… 年寄りの戯言と思うておるのか…」
ほう…
先日 東宮殿のチェ尚宮に呼ばれて急ぎ赴いた深夜の あれほどまでに妃殿下を溺愛しておられるご様子に てっきりお二人は 近頃結ばれた仲故の事かと思えば… まさかまだであったとは…
「媽媽…心根の優しい武元皇太子殿下の事です…そのようなことは決して…」
「では何故あのように怒ったのじゃ…チェギョンが何か言おうとしたのもピシャリと遮って自分の決めた事だと言ったのだぞ?」
ふむ それはまた…
いや おそらくあのご様子なら 妃殿下に拒まれた事を知られたくのおての事…
「寝室を一つにした翌朝の様子から シンはともかく チェギョンの様子をみれば…やはり未だであろうと思うのじゃ… もはや シンの逆鱗が怖おうて 話題にも出来ぬ…
寝室を共にしてわずか二晩目の夜中に熱を出して寝込み 東宮妃の部屋へ戻ったというではないか…
互いに惹かれあっているように思っておったのじゃが…あの二人は何を考えておるのやら…
二晩のうちに事に及んだとは思えぬのじゃ…」

妃殿下が責めを追わぬようにであるとか ご自身が傷ついたことを悟られまいとして…虚勢を張っておられるのじゃろう…
ならば…殿下の守りたかったモノは 私もお守りせねばなるまい
「媽媽…あまり 気に病まぬことです…お若いお二人の事…そう長くはかかりませぬ」
「そうは言うても…のぉ…
皇后が三人目の子を宿したと聞いて はじめはどれほど嬉しかったことか…
しかし もし男の子(オノコ)だった場合は 継承権の問題がまた複雑になってくる…
シンとチェギョンに…早く男の子(オノコ)を授かる方法は無い物か…」
ふむ…
もし 皇后様に皇子が御生まれになり その皇子が8歳になられる前に
武元皇太子殿下に皇子がお生まれでない状態で 皇帝にご即位なされば 皇位継承権は自動的に義誠大君殿下のものと成る
皇太后(現皇后)のご次男は 皇弟ながら 養子同然に皇孫(皇帝の嫡子/直系)に冊封され…
さらに8歳になられるまでに武元皇太子殿下に皇子がお生まれにならねば その時点で皇弟である皇太后(現皇后)のご次男は 皇太弟に即位することになるであろう…
皇位継承権は義誠大君殿下から 皇太弟に移ってしまう…
つまりそこからの10年間に皇帝に万一の事があれば 幼い皇太弟が義誠大君殿下を後見人として皇位に就く事となる
なぁに…
皇弟が8歳になられるまでに 皇子に恵まれればなんの問題も無い事ではある
ただ8歳になられ皇太弟にご即位されるまでに皇子に恵まれなければ その後にお生まれになっても皇帝の嫡子でありながら 継承権が戻るのは成人してからとなる…
なぁに…8年もあれば 皇子に恵まれることくらい 案ずるほどの事でもなかろう…
それに 仮にそれより1年遅く9年かかったとしても 今18歳の武元皇太子殿下が27に…
ご嫡子が成人するのは47 事故でも無い限りは健康であろう…万が一など有り得ない
それに
他にまだ手は有る 皇后にご次男が誕生した場合は 武元殿下に嫡子がお生まれになるまで即位しなければ良いのだ…
いや それは難しい事やもしれぬ…現皇帝は元々皇位を望んでおらず急遽即位し お体の弱い皇后に いつも気を配っておいでだ…
おそらく 間もなくご成人なさる武元殿下が 大学をご卒業なさればすぐにでも即位をとお考えで… その事を 太皇太后陛下もお察しなのであろう…
ゆえに こうやって案ずること自体が気苦労であったり…
王族や内命婦 外命婦が やれ長男派だ 次男派と派閥ができたりするからややこしくなるのだ
只でさえ今でも 皇室廃止論こそ落ち着いてきたものの… 武元皇太子殿下派と義誠大君殿下派に割れていて 揺れているのだ…
安易に構えておれぬ気持ちも確かではある…

「王立病院の産科と相談し 内医院で薬湯をお出ししましょう まあ…
近年では 研究も進んでおり 薬湯などに頼るよりも 良き方法がございます
しかし お二人はまだその段階では無いようにも思われますが…」
「ふむ…それなのじゃ…二人は本当に 互いをどう思っておるのであろうか…」
「はて…その辺りのご心配は必要ないでしょう…
わたしの見た殿下はそれはもう妃殿下を溺愛しておられるご様子でした」
「ほう…どんな様子だったのじゃ?」

あれは 日曜から月曜に日付が変わった深夜…
東宮殿のチェ尚宮殿から緊急に殿下の寝室に来てくれと要請が有っってから殿下のお部屋までの到着は わずか10分足らずでした
その間 殿下は 寒いと口にし震える妃殿下をしかと腕に抱き その背を撫で腕を撫で 御身を温めようとなさって御出でした
「殿下 お待たせして 申し訳ございません 急ぎ診察させて頂きます故…」
「待っていた 早く診てやってくれ」
退室を促すつもりが 殿下は妃殿下のお手を離そうとなさらず
殿下が見守る中薄絹の上から聴診器を宛て お背中に聴診器を宛てる際などは
うつぶせにしては苦しかろうと 私に妃殿下の背中を向けるようにご自身の胸に掻き抱き さあ診よと御指示なされました
午前中 雪の降り積もるお寒い中で 長きに渡り絵をお描きになった上 うたた寝をなさったのだと話す殿下は ご自身が体調不良の折りとはまるで異なり 冷静さを欠き ヤキモキと 気が気ではない様子でございました
インフルエンザの検査と 溶連菌の検査をする際も ご自分の事のごとくお辛そうに見守られ
「大丈夫です陽性反応は出ておりません 只の風邪のようです 心音も 肺の音も異常という程も無く 拗らせてはおりませぬ故 2、3日も休めば回復なさるでしょう」と言えば
「2、3日もか?!念のために 血液を検査に回し 最も適した薬を出してくれ」と…
やれやれ…
「ではそのように」

殿下は私が部屋に入り 診察を終えて出るその時まで 唯の一度も妃殿下の手を離す事は無く… 私は思わず意地悪を申し上げたほどでございます
「はて…意地悪とは?」
「これから イギサの手を借りて 東宮妃のお部屋に御移しし 生理食塩水の点滴に抗生物質をゆっくり落とします故 殿下もお休みになられて下さい」
そう申し上げたのです
「ほっほっほっ で シンはなんと?」
どうもこうも…
「何故東宮妃の部屋にわざわざ移す必要がある?!」と声を荒げ ワケを言えと仰られるので 殿下の御為にも 妃殿下の早い回復の為にもですと申し上げましたところ
「私に移ってはならぬからなのか!?こんなにぐったりしているのに!このまま此処で休ませてやればよいではないか!」
とまあ凄い剣幕で…
「とにかく朝までこのまま動かすことはならぬ さっさと良く効く点滴を施せ!」
という具合で…
心配で眠気など吹き飛んだのでしょう 連れ出されては益々心配が募るというご様子で
殿下の妃殿下への溺愛ぶりはちょっとやそっとではございませぬ…
「ほっほっほっ そうであったか…」
妃殿下は 夜中意識が朦朧となさって御出でで ご記憶も無い様子でしたゆえ
翌朝 殿下がご登校なされた後
食欲が戻らなかった妃殿下の元を訪れ 点滴を取り換える際
殿下が此処に寝せて置けと仰いましたが お早い回復の為にも妃殿下のお部屋でごゆるりとなされねば 殿下は妃殿下に構い過ぎるやもしれませぬ お相手をなさるのも易くは無いでしょうと申し上げましたところ
妃殿下は 気恥ずかしそうに頬を染めて御出でで…
お若い二人の なんとも純粋な事…
あのご様子では ご心配には及ばぬかと存じます…太皇太后媽媽
妃殿下も 私が殿下にお風邪を移しては大変だから直ぐに移ります と 殿下をとても大切に敬っておられ 健気でお可愛らしい
お二人が 佳き日に 心を合わせて固く契りを交わせば 間違いなく 皇子を授かるでしょう
「そうであろうか?だが何故男(オノコ)だと?」
媽媽…殿下のあのご様子なら 授かるまで片時も妃殿下を離さぬ事でしょう
ですから 佳き日を選んで事に及ぶようご助言することが肝心です
「ほっほっほ…それは良かった ふむ…佳き日とは…」
排卵日にございます 確実に排卵の日に睦めば 皇子を授かる確率も高くなります
「ほう…そうか… それは…楽しみだな」
しかし今はまだ時期尚早…今しばらく見守りましょう


水曜の夜 妃殿下からの要請で 再び東宮妃のお部屋を訪れた私に 妃殿下は
「殿下がまだ学校へ行っちゃダメって言うんです もう冬休みになっちゃうのに…」
「ご心配なのでしょう なかなか積もらなかった雪が急に積もった日にお風邪を召されました故…」
外はここ数日毎日雪が舞い寒さは急激に強まった
「あたしならもう大丈夫です すっかり元気になりました だからお医者様からも殿下に言ってください!」
「そのようです妃殿下 熱も下がり 御体から憑き物が取れたように軽くなったことでしょう
殿下が待ち侘ておいでです 今宵は殿下の閨に御戻りください」
わたしは至って真面目にそう申し上げたのに 妃殿下はお可愛らしい
「からかわないで下さい!」
と頬を染める

それからいかばかりもせず
お二人が無事結ばれたと報告を受けたと 甚くお喜びの太皇太后様であったが…
まだ喜ぶのは早過ぎはしないだろうか…
閨事に憑りつかれて あの武元殿下が惚けてしまうことは 考えにくいが 無いとも言い切れぬ
更には あまり事を急いては 妃殿下のご負担にもなる…
男子を望むのであれば 堪えておいて 佳き日を選び事に及ばねば…
とはいえ お二人の慶事は 宮中の知るところとなり お二人の仲睦まじきお姿を目にし 心和む日々が続いた

「そうか… 解った」
内医院(ネイウォン)から 妃殿下のお体を温め受胎しやすい体作りに適した薬湯を煎じたとの連絡を受け 内医院へ向かう
基礎体温はチェ尚宮殿が密にチェックしておられる
あとは 殿下のお心と猛き欲を抑えて 時を選んで頂くばかり…
まあ…それが一番難しいところ…何せあの溺愛ぶりでは…
この年寄りの諫言など 今日日(キョウビ)“セクハラ”などと表される戯言扱いで済まされてしまおう…
ふむ…太皇太后媽媽の想いに報いる朗報が入るのは もう少し先に成りそうだ…


キラキラ今日も ありがとうございます韓国カムサハムニダ
わはは おじいちゃん医師 至って真面目ですから逆に笑えます
でもご本人達にしたらコレがまた難題となるワケです…

少し難しい話も織り込んでしまいました 理解できたでしょうか!?
翌年皇后さまの産むお子が シンくんの弟だった場合
シンくんが皇帝になっても嫡子(世継ぎ)が居ない場合は
まず現状第二位のユルくんが一位となり 皇弟は皇位継承二位を得ます
8歳になった時 まだシンくんに嫡子(直系の息子)のいない場合は
弟が皇帝の養子扱いとなり 次期皇帝として冊封され 皇太弟に即位してしまいます
継承権がユル君よりも上位になります
(ちなみに8歳まではユルくんが上位なのでシンに何か有ればユルが次期皇帝)
それまでに直系の息子が生まれなければその後に生まれても
既に即位している弟が上位のまま 弟が病気であるなど特別な理由無くして
シンくんの息子が成人後にしか それを覆すことは出来ないようなのです!!
ちなみに ある程度は史実や参考文献に基づいていますが
既に韓国には皇室は有りません あくまでもフィクションですので
違うよ!と言うのはナシでお願いしますお・ね・が・い


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クリスマスツリー明後日本編に戻りますキャンドル10/10(金)8:18:18→215.痕跡と報告~恐れながら…本日皇太子ご夫妻は…(お楽しみに