● てふてふが一匹韃靼海峡を渡って行った(安西冬衛) | ジャパンフレネ おーい仲間たち

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ジャパンフレネの活動日誌。子どもたちの姿をお伝えします。

※ なが〜い授業記録、50分一本勝負!
● てふてふが一匹韃靼海峡を渡って行った(安西冬衛)
学習発表会で行う劇『とべバッタ』(田島征三 原作)の最後の場面、天敵を次々に突き抜け、バッタは海を飛んで行く。







そして、バッタはどうなったのか?
これに対比させる教材として、安西冬衛の詩を使う。





てふてふが一匹韃靼海峡を渡って行った

※ この詩を使い昔からTOSS(旧法則化)が『?』な実践を行なっている。「向山氏の発問を忠実に追試することで、子どもたちも熱中する。ぜひ、忠実に追試していただきたい」(TOSS授業技量検定段級位 初段 堀田和秀 TOSSランドより)のだそうです。笑っちゃいけないけれど、…以下省略。

「てふてふがいっぴき○○○○をわたっていった」あ〜ちゃん
「読めない漢字の読み方教えてあげるね」
学校(がくこう)  
    ↓
    がっこう
友達(ともだち) 韃→(だち)+元旦(がんたん)→靼(たん)
          =
     韃靼(だちたん)→だったん
こういう所は討論しなくていいね。分析すれば、すぐ読める。
韃靼とは土地の名前、タタール、韃靼海峡=タタール海峡=間宮海峡も教えてあげる。





「『てふてふ』ってなあに?」
「ちょうちょのことだよ。ちょうちょうって読むの」
小さい子の質問に、大きい子が答える。
「えっ!ちょうちょじゃないの?」
調べる。厳密には、ちょう→ちょうちょう→ちょうちょ…。
そういえば、モンシロちょうちょうとは言わないね。



「海峡って言えば?」
「ジブラルタル海峡!」
よく知っているなあ!橋をかける計画もあったということまで説明してくれました。サンキュー🎶これで海峡ってどんな所だかわかった。サハリンとロシア本国との間にある海峡。津軽海峡冬景色🎶



「バッタもそうだけれど、ちょうちょって海の上、飛んで渡って行けるの?」
「木幡さん、韃靼海峡って、どれくらいの幅があるの?」
いろんな質問が出てくる。
韃靼海峡の地図をネットから引っ張ると、サハリン北部の最狭部分は7.8km。これなら飛んでいける。
「でも、昔の樺太の北部はソビエト領だったんじゃないの?」
「南の方からソビエト目指して飛んでいった?」
「幅広いから無理だよ」
これらの事から、ちょうちょうは、おそらく南樺太からソ連に飛んで行ったこと、これは想像上のお話だって事もわかる。(どこから見ているかなんて質問は愚問ってことは、誰でもわかる)

「なんで、『てふてふ』って書いたのかなあ?」
これって自然な感じ方だな🎶
「ひらひら、舞っているって感じだね」
「柔らかい感じ🎶」
それに対し、韃靼海峡は固い感じがする。
「沖縄の砂浜と違うよね」
「なんか、岩の上って感じ」
「じゃあ、こういう読み方ってどう?」

ちょうちょうが一匹タタール海峡を渡って行った
ちょうちょうが一匹間宮海峡を渡って行った

「変だよ!」
「てふてふと韃靼海峡がいいよ!」
何にもしなくても自然と『てふてふ』と『韃靼海峡』のコントラストに気がつく🎶

「この詩、どんな感じがした?」
「海を渡るの大変だけれど、何かいい事あるのかな?」
「この時代のソ連に行ってもいい事ないのになあ…」
「夢や希望?」
「バッタとは違う感じ」
いろんな意見が出てくる。
最後に作者安西冬衛は、ヒザの病気で片足を切断し、この詩は日本が植民地化していた大連で書いた事を伝えて、この授業は終わった。
「やっぱりなあ🎶」
「がんばれ〜って声かけている」
とてもいい時間を過ごせたな一日🎶