朴歯の散歩、いよいよ快適なり。
A地区のマーケット内の鶏肉屋へ立ち入り、細切れ三百グラムを買う。百五十円なり。
この店の鶏は、まことに上等であって細切れも上等の肉や皮の切り落としなのだから、実に、
「捨てたものではない」
のである。
(中略)
夕飯は、先ず、鶏肉の細切れで水炊きをやる。
葱と豆腐、人参の細切れで水炊きをやる。
まことに、うまい。
ウィスキーのオンザロックスを三杯。
それから飯にする。
水炊きの鍋には、濃厚なスープがたっぷりと残ってい、これを胡椒と塩で味をととのえ、熱い飯にかけて食べる。
うまいこと、おびただしい。
昔は商店街にマーケットと呼ばれる、ものがありました。
屋根で覆われた狭い通りの両側に八百屋とか魚屋とか肉屋が並んでいるの。
お茶屋とか場合によっては洋品店なんかもありました。
そこに入っているのはその町ができたころからのお店ばかり。
特別に安いわけではないけれど、ものがそこそこいい。
この文章を読んでいると、そういう所をなつしく思い出します。
それから鶏肉屋、鶏肉と卵を売っているお店。
肉屋じゃないんですね。
今でも古い商店街にはたまにあったりします。
これも懐かしいです。
そういう肉屋でいいものを扱っている店は、いいものしか扱っていないので切り落としなんかも結構いい肉だったりします。
私が高松に住んでいた頃、地元の肉屋さんで割といい肉を扱っている店がありました。
そこの牛の小間切れを買うかどうか考えて、家内が、
どこの肉ですか?
と聞いたことがあります。
家内は輸入じゃぁないですよね、という意味だったのですが、お店の人の回答は
「うちじゃあ、香川の肉と佐賀の肉しか扱っていないので、細切れもそのどちらかなんですが、それだとまずいですか。
と聞き返されたのを思い出しました。
いい店のものはそうですよね。