「謝ってすむなら、警察はいらんでしょう・・・・」

被害者の父親は怒りのあまり、声が震えていた・・・

タツジの後頭部を抑えつけ、彼のひたいをも畳にこすりつけようとしたが、頑として拒まれた・・・

「謝る理由なんかねえよ・・・」

その台詞に父親は抑えていた感情を爆発させた・・・

「警察だ・・・警察に届けてやる・・・もう帰れ・・・後は警察にやってもらうからな・・・・もういい・・出ていけ・・・」

教師になって5日目・・・・なんでこうなるのか・・・・

本当に辞めたくなった・・・

隣でタツジは、何事もなかったかのような顔をしていた・・

顎を突き出し、天を見上げながら・・・

「バカな親にバカ息子かぁ・・・クソ野郎だぜ・・親子して・・・」

親でもない自分がなぜ畳に額をこすりつけながら謝ったのか・

まるですべてが私の責任のように押しつけられた感がした。

そう思うと、無性に腹が立って来た・・・

タツジの「クソ野郎・・・」という台詞を聞いた瞬間・・・・我慢していた鬱積が爆発した・・・・

「バカヤロー・・・なんで俺が謝らなきゃならないんだ・・・・

相手にケガをさせたのは、タツジ・・おまえだろうが・・・」

その瞬間、右手のこぶしで力任せにタツジの左ほほをおもいきり殴った・・・・殴った瞬間、我に返りびびった・・・やば~~

タツジは、中2だが身長は178センチ、極○空手の有段者だ。

小学6年の時は、県の大会で優勝している・・・

だから、教師もタツジにだけは手を出さない。

勿論、3年生ですら、タツジには一目おいている・・・・

そんなタツジを感情が爆発しおもいきり殴ってしまった・・・

やられる・・・そう思った瞬間、タジツが笑い始めた・・・・

「あはははは・・・・だせえパンチだぜ・・・・情けねえパンチだぜ・・女みたいなパンチだなあ・・・ははははは・・・・・」

笑いながら、なぜか突然、嗚咽が始まった・・・

「ちきしょ~~」

やばい・・・本気で殴るつもりだ・・・・

「弱いくせに・・・俺を殴るなんて・・・・弱いくせに・・・・・」

泣いている・・・タジツが泣いている・・・・

「本気で殴られたのは・・小学1年の時ランドセルに落書きをしてオヤジにやられたのが最後さ・・・・

ちきしょう、こんな弱い先生に殴られるなんて・・・・

空手の試合だって、俺の顔面にはだれ一人触れたものはいないのに・・・・」

なんで泣いているんだ・・・分からない。

やられて悔しいのか???


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