おそらくタツジから聞いた話の内容は、生徒たちが私に対するイメージを変えるものだったのだろう。
しかし、実際に今の私の姿を見てタツジから聞いた話とは異なり今までのイメージとなんら変わらないことに怒りを覚えたのかもしれない。
突然タツジが立ちあがった。
「先生、なんだよ、その態度は?
俺の為に書いた手紙や、俺の家で話してくれたことは、みんな嘘なんか?」
私の投げやりな態度に、一番怒りを覚えているのはタツジかもしれない。
「先生は、おかしいよ。人に愛されたいのなら、無防備になれっていいながら、自分の態度はなんだよ?
鎧を着けているみたいじゃないか。」
確かにそうだ。
その通りだと思った。
タツジに発した自分の言葉に自己嫌悪という鎧を着けている。
しかし、それを説明することはできなかった。
なにも落ち込む必要などないかもしれない。
しかし、中学教師になったきっかけが腰かけ的だったし、実際にノブコに言われた言葉が脳裏に浮かんできた。
「先生、大変だね。学園ドラマの見過ぎじゃないの?
現実はドラマのようにいかないよ。先生の台詞は、なんかテレビのドラマみたいで、みんな聞いていてしらけているよ。
先生はね、私達を別な視点で見ているのかもね。
つまり、口にしていることは正しいことだけど、人間って、正しいから受け容れるわけじゃないよ。
口にしている人間がどんな人間で、誰かってことかな? 」
生徒たちがそう思ったのも本気じゃないからだ。
タツジに話したことも自分では、今思うとテレビドラマの台詞のように思えて仕方がなかった。
「先生、俺に行ったことは全部嘘なんか?
ねえ、嘘なんか? 手紙も嘘なんか?
嘘なら嘘だってはっきりいってくれよ。」
タツジが必死になって問いただしてくる。
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