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奥本色 vol.4







すっかり秋です。
奥本色、第四回です。

唐突ですが…
この前、赤色のジャージを洗濯したのですね。フットサルの時に着る為に買った上下揃いの赤ジャージ。トップスは普段でも着てしまうお気に入りの赤ジャージ♪

ふと気付いたんですね。
使用頻度の差が、
洗濯頻度の差になり…
赤の濃淡が、

ズレてる…




なんでもない僕の写真
一応、詩なのか?!…
と、カテゴライズしている詩。
なんでもない僕のブログが
誰かの心と結びついたら…

きっとそれは
何かが…
ズレたんです。
奇跡だ…
って思わずにはいられない。
そんな奇跡を期待して
このブログを続けていこうかなと…
生き急いでみようかなと。
よろしくどぅぞ…





『SFW』

寝顔が好き
夕日が好き
でも朝日の方がもっと好き



いやいやどうして
お酒の方がこよなく好き

だからどうした?!

つたない心で
誰かを傷つけて
のほほんと雨を眺めてます




だけど
どうして?

寝顔を見てると
たまらなく
心が乱れるんです

だからどうした

奥本色 vol.3










おはようございますって
やつです

死ぬほど
眠たい

うるせぇ バカヤロー
こっち来んな コンチクショー



誰も悪くないって
知ってるよ

だから
空が
ちょっと 優しい


奥本色 vol.2









カラー

この世に
色 が何種類あるか
知ってるかい

僕は知らないんだけど

目に映る
たくさんの色物たちが
やがて音を鳴らして
僕たちに
迫って来るのだ




ピンポン パン


奥本色 vol.1










『堕落していく』


僕の名前は
アトム

その正体は
誰にも分からないんだけど

そんな事は
大した問題じゃあない
ぼくだけにしか
見えない世界が
ある ある ある

いぇい




「伝染歌のこと」




天才ハラダ監督の最新作である。

どれだけの人々がこの尖りまくった作品についていけるだろうか。
この映画、全身これ鋭利な刃物である。

類型的な展開を拒むこと拒むこと。
と思ったら、直球で泣かせたりもする。

ホラーを期待されるむきは肩透かしを喰らうかもしれない。

なんというか・・・
主人公とそれを取り巻く人間たちのロードムービーであり、
秀逸なキャラクターたちの群像劇であり、
都市伝説を追ったサブカルムービーを装いつつ、
自殺や自爆テロをモチーフにした社会派の匂いすら漂わせて・・・

と、またえらくカテゴライズを拒む映画なのである。

アイドルのAKBがいて、松田さん伊勢谷さんら旬の俳優がいて、阿部さん木村さんら芸能界のTOPでもある俳優がいて、何より僕らみたいな抜擢組がいる。

こんなクロスオーバーな座組み、なかなか出来るもんじゃない。

僕の役は高校教師。古典の工藤先生。
好きな作家は近松門左衛門、ってすでにこの設定が渋い。

映画のひとつのモチーフに「自殺」という問題がある。
そこから、「担当が古典」で「近松の心中もの」ってところに繋がっていくこのイメージの連鎖が、アカデミックでちょいレベル高い。

さらにイメージは繋がって、
サバイバルゲーム(擬似戦争ごっこ)が登場し、
宗教家が登場したりするものだ。

現場はクリエイティヴで本当に素晴らしかった。
原田監督の現場に関わると、たいてい3度驚く。

まずは、台本に驚く。
なぜあの原作がここまで別の作品に生まれ変われるの?と想像力の飛躍に驚く。

で次に、現場での演出やカメラワークに驚く。

役者ならちょっとくらいは、
『今日のシーンはこんなポジションでこんな風に撮るのかな』
と予想してみるものだ。
でも、一度も当たったことがない。

座ってじっくり会話するのかと思いきや、
そんな退屈なシーンはゴメンとばかりに、
長い廊下を歩きに歩くシーンとなって、カメラはずっと動き通し。
必死についていく僕。

「工藤先生が一人、教室で秘密の行いをしている」
という僕にとって超重要なシーンもそうだった。

朝一の撮影でこちらが入念にその「秘密の行い」の準備して現場に入ってみると、
すでに監督がいて、
なにやら黒板いっぱいに落書きをしている。
『これ、壊れた工藤が書きなぐったものだから』といきなり言われる。

近松の生没年やら近松のメッセージやらが書き込まれていて、
工藤の死への憧れやその時の精神状態などが一目でわかる仕掛けになっている。

なるほどなぁと感心、してる場合じゃない。

となるとシーンは・・・。

必死についていく僕。

「誰もいない教室で架空の授業を行う男」、
というシチュエーションににわかにイメージをシフトチェンジさせる。
おまけにカメラは僕の真下に回り込んだりする。

原田組の場合、カメラはものを映す道具じゃなく
完全に生き物だ。

とまぁそんな感じで驚く。

そして三つめのサプライズが仕上がりの映像を見た時。

編集の妙、って言葉にすると簡単だが、
結局台本も撮影もただの素材だったのだと思わされる。
そこからさらにイメージが膨らんで、
違うストーリーが浮かびあがっている。

かつ、結構悪くない自分に安堵したりするマジック。
演技というより単純に、自分の姿の映りがいい気がするのだ。

絵の質感でどれだけ俳優の格好を救ってもらっているか。
それもあって俳優は皆、原田組が好きなのかもしれない。

それにしても撮影当時は、
本番の遥か前からずっとこの役のことが頭を離れなかった。
これほどの役を得て失敗は許されない。
気が抜けなかった。

もっと文献にあたっていれば、
もっと参考ビデオを見ておけば、
もっとキャラ作りの稽古をしておけば、
そしてもっと本番では力を抜いてやれていたら・・・。
終わって反省するモット症候群!

とりあえずベストではあろうとした。

たびたび稽古でキャラクターの造形に付き合ってくれた、
心厚き俳優仲間に感謝。

俳優として痺れる瞬間を味わった。
最高の監督と最高のチームで最高の役を得たこの幸運に感謝。