こないだ2A3のアンプで音楽を聞こうとしたら、音が歪んでいたのである。え、なんでどうして?
・歪みは両チャンネルで発生している。
・はっきりわかる程度の歪である。
どうしたものか・・かれこれキットを製作して、20年以上たっている。出力管の2A3は、すでに4代目だ。ドライバ管(6SN7)は未交換で元気で働いていてくれる。聞いた感じでは、真空管の動作点がずれているような気がする。
数日後聞いてみたら、歪みは少なくなっていた。なんで、どうして? まあ、音は出ているのだが、2A3の良いところが全くない。
・真空管は、すべてOKである。(手持ちと交換してみた)
・音は、曲がりなりにも出ている。
・動作が不安定
真空管の次に寿命が短いのが、電解コンデンサ(ケミコン)である。エレキットは、部品表や回路図がしっかり分かりやすく記載されているので、使用しているケミコンを調べてみました。
セオリーとしては、分解⇒各部電圧等のチェック⇒故障個所の絞り込み⇒部品の注文⇒交換修理となるのだが、重いアンプをばらして作業するのは難儀である。ケミコンの場合は、特定した部品以外にも劣化している可能性もある。そうした場合は、追加注文となり送料がばかにならない。部品代もそうですが、送料が高くつくのでなるべくまとめて買っておきたい。万一使わなくても、次回故障した時に使えばいい。かなりの年月が経っているので、次々に故障する場合も考えられる。
ということで、すべてのケミコンを事前に注文することにしました。マルツオンラインで、送料込み約7K円です。取り寄せ部品もあるので、約一週間くらいで到着しました。最近は、高耐圧コンデンサが手に入りにくくなっていて、DC450V耐圧のものはあちこち探し回って、やっとマルツで見つけました。
まず、真空管を取り外します。
上部カバーを取り外します。
真空管ソケットが付いている反対面に、ケミコン等の部品が搭載されています。
ざっと見たところ、C12(100μF,100V)の上部が膨れています。ケミコンの場合は「もうだめだぁ」というサインを出す場合が多く、中の電解液が漏れだしたり上部が膨らんでいる場合は、劣化したりお亡くなりになっている場合が多いです。これは、無条件に交換です。(こっそりお亡くなりになっている場合もある)
C12は、2A3のフィラメントに接続されているケミコンです。
取り外してテスターで測ってみると、値が出ないほど劣化しています。
ステレオなので、もう一方のCHにはC11(同じ100μF,100V)が使われています。予防保全として、交換することにします。測定したところ、容量は98.5μFあるので、生きています。
C11とC12を交換しました。他のケミコンは、目視で点検する限り問題はないので、今回は2個だけ交換することにしました。
これがご臨終となった、ニチコンのケミコンです。
故障していたのはC12だけだが、もう片方のチャンネルも影響を受けていたようだ。最後に組み上げて完了です。元々の2A3の魅力ある音が戻りました。
【ねじあるある】
取り外したねじは無くさないように容器の中に入れていたのだが、組み上げたら2個足りなかった。えー、無くさないようにと思って管理は徹底したつもりだったが、なんでだろう? ねじの過不足、あるある・・ 不足分は、ジャンク箱の同じピッチのねじを使って組み上げました。
【ケミコンあるある】
最近は、高耐圧ケミコンが手に入りずらい状況です。保守用に数個だけ売ってくれるところは貴重です。その分、お高くなるのはしかたないです。今回はすべて調達できましたが、形を考慮しないと組み込めない場合が発生します。今回購入した33μF,450Vのケミコンですが、背が高すぎて物理的に組み込み不可です。(斜めにするとかすれば、できないことはないかもしれないが、あまり宜しくない)幸い、このコンデンサに異常は無かったので助かりましたが、次回注文する場合は要注意です。