福岡から宮若へ向かうと新犬鳴トンネルがある。ちょっと前に「犬鳴村」という映画が放映されたので、犬鳴という地名を知っている人も多いだろう。福岡の最強心霊スポットと、呼ばれている。映画では、ダムに沈んだ村と紹介されており、「この先日本国憲法通用せず」みたいな看板があるとされている。犬鳴区の人々が移転したことは事実であるが、「日本国憲法通用せず」みたいなことは当然ないのである。
しかし、旧犬鳴トンネル(現在は通行禁止)では、かつて凄惨な事件が起こっているのは事実なので、心霊スポットというのは、あながち間違いではないのかもしれない。
そういうマイナスイメージが大半だと思うのだが、実際は近代的な犬鳴ダムがあり、その奥には親水公園が整備されている。その他、旧犬鳴区の〇〇跡という看板も設置されているのである。
犬鳴ダムの周辺は、ぐるっと車で一周できます。ただし、一部区間で一方通行があるので、右回りの方がいいでしょう。

さて、犬鳴ダムに行ってみましょう。

管理棟がありますが、無人のようです。監視カメラがあります。不法投棄もあるようなので、監視をしているのでしょう。監視員みたいな人も、巡回しているようです。

特に、心霊スポット的な感じはありません。普通の、ダムです。ダム湖の周辺を散歩している人も、数人すれ違いました。

堤防の上も歩けます。(車両は通行不可)あれ、こま犬かな?神社の狛犬とは、少し風貌が異なるようです。

こっちが、湖側です。

この湖は「司書の湖」(ししょのうみ)と呼ばれています。犬鳴谷にゆかりの深い筑前福岡藩老職「加藤司書」にちなんで命名されたとのことです。最後は切腹という不運の死を遂げています。(途中略)

山の方に、獣の気配を感じました。い、犬か? と思ったら「鹿でした~」

気を取り直して、奥に向かいます。Nyankcyが出没したようですよ。

少し行くと「犬鳴山登山口」の看板があります。登山口から、すでに藪になってますが・・登る勇気はないなぁ。

次に「犬鳴区移転の碑」があり、そこには「民家28戸、公民館1、学校1、神社1、精錬所2、御別館1、犬鳴焼窯2、木炭倉庫1」と、全住民の名とともに記載されています。

さらに行くと親水公園がありますが、「緊急事態宣言のため、親水公園は閉鎖」と書かれていたので、寄らずに通り過ぎました。写真は、公園を反対側から見たものですが、おいちゃんが犬を連れて散歩していました。

あと、「魚釣り広場」として整備されている場所があり、ここでは釣りがOKのようです。(禁止区間あり)ネットで調べてみたらブラックバス狙いの人が来るようです。但し、ボートは禁止です。

一番奥深い所に「犬鳴御別館跡」があります。不法投棄防止のため柵がありますが、車を停めて徒歩で入ることはできます。(見学者は、柵の横から入れると書いてます)

だいたい100mも行くと、看板があります。ここを、くっと鋭角に曲がります。

これが、犬鳴御別邸跡です。

看板によると「犬鳴御別邸は、幕末福岡藩家老職の勤王派加藤司書により建てられ、城郭を持つ館です。福岡城が海岸に近いため、もし外国との戦争が起こった時、藩主をかくまうため築かれました。館は、藩の謹王派の弾圧により一時中止するが、御茶屋(藩の休憩所)として完成した」とのことです。

その他、こうした「木炭窯跡」という看板が数か所ありますが、ほぼ何も残ってはいません。

ということで、明るいうちは特段変わったこともなく、無事に一周することができました。
福岡県宮若市大字犬鳴