こないだ、福岡県粕屋町の九州酢造で蔵開きがあったのである。
会社の前には臨時駐車場が出来ており、交通整理員もいます。さらに、入り切れない車は近くの清光寺の境内に車を停めれば、そこからマイクロバスでの送迎もあるというくらいの盛況ぶりです。
今年、初めて行ってみました。イオンモールの近くです。
当然、ここで作ったお酢を売ってます。
一番人気の「柿酢」は、品薄のため売り切れとのこと。柿酢ブームがあったらしく、これを作るのには1年以上かかるそうなので、すぐには手に入りそうもありません。
お祭りなので、酢以外にも苗木や野菜の即売もあります。子供向けには、ヨーヨー釣りとか、輪投げもあります。
普段見られない、2Fや3Fにも入ることができます。2F部分では、酢作りの道具展示や、陶器の販売があります。
さらに、最上階に向かいます。
すべて木造りの建物です。ここで、発酵と醸造を行っているので、金属を使うと錆びてしまうとか。中央の柱は、9mものの1本杉です。この柱9本で、建物の重量を支える構造です。
手前が発酵中で、奥で蓋が開いている樽が熟成中です。
ここの酢は、スーパーなどで売っている酢と比べると高いです。なぜ…
100円の酢と1,000円の酢の違いが書いてます。
・通常売られている酢は、戦後西洋から入ってきた「連続発酵方」といい、大きな金属タンクで酸素を強制的に送り込み、数時間~1日で発酵させます。
・この蔵は「静置発酵方」といい、木の樽で自然に発酵させるため、数か月かかるので手間暇がかかります。
で、ほんとうに違うのか? ということで、試飲してみました。
・普通の酢は、やはりつーんときます。酢ですから、こういうもんだと思ってました。
・この蔵の酢は、まろやか感が全然違うと思います。飲み物としての酢として、とてもいいと思います。
お楽しみのグルメもあります。まず、四川辛担々麺ですが、ピリ辛で美味いです。
黒酢のカレーです。いずれも、ワンコインで楽しめます。
せっかくなので、「純米酢」と「あまおう酢」を1本ずつ買いました。あまおう酢は、牛乳などで割ると絶品です。
酢造り職人の蔵の案内ツアーが13:30からあるということで、時間前に行ってみました。他に10人くらい待ってますが、時間を過ぎても始まる気配がありません。
「蔵のツアーは始まらないんですか?」
「ジャズコンサートはあっちの方です」
「いやいや蔵のツアーなんですが、ここ集合になってますよね」
「えっと…聞いてきます」
本部に集合と書いてあるので、みんなここに集まっているんだが…
「2Fの蔵の方に行って下さい」
う~む、本部の人も把握していないツアーなのか?
蔵の2Fには職人さんがいらっしゃって、詳しい案内をしていただけました。この蔵の製造方式が古式であり、手間暇をかけているということが良く分かったので、こういう催し物こそ大切と思いますけど。
最後に、ジャズバンドの演奏もありと、盛りだくさんでした。
たかが酢されで酢ということですが、今回は初めての造り酢蔵の見学をしてきました。古式方式で作られた酢って少ないと思うけど、ちょっと高くても買ってみようという気になる蔵開きでした。
福岡県糟屋郡粕屋町酒殿815-1 Pあり 通常一般小売りもあり 原町駅前にも、九州酢造がありますが、あちらは殺菌・瓶詰工場で公開はありません。
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残念ながら九州酢造は、2022年3月に廃業となりました。原材料高騰やコロナ禍の影響らしいです。