こないだ、台東区上野の国立科学博物館に行ったのである。屋外には、D51-231の蒸気機関車が展示されています。天井はないのですが、比較的綺麗な状態を保っているので、メンテナンスは十分にされているように見えます。
D51形は主に貨物輸送用に使用された力の強いテンダー式蒸気機関車で、車輪が4軸のためD(アルファベット4文字目のD)という型番が頭に付きます。テンダーとは、石炭や水を積載する炭水車(テンダー)を連結しているためこう呼びます。
D51形は生産台数が千台を超えるほどの蒸気機関車で、知名度は抜群です。通称はデゴイチと呼ばれ、多くの人に親しまれました。このSLは231という数字がついているので、D51形の中では比較的初期の段階で製造されたものでしょう。
常設展に行ってみます。写真撮影は一部を除いて可能です。有名な、忠犬ハチ公がいます。渋谷駅前には銅像がありますが、本物はここにいます。はく製になったとき、左耳が折れているのは修復されたということです。
一世風靡した、パンダのホアンホアンです。死後は、ここにいたんですね。
これは、日本初の真空管式電子計算機の「FUJIC」です。まさに、真空管の山ですね。噂には聞いたことがありますが、本物は初めて見ました。FUJICは富士写真フィルムによって、レンズ制作のための電子計算機ということで設計されました。真空管は、約1700本も使われています。完成後は、実際に小田原の工場で稼働して成果を上げていたそうです。
これは、マイコン黎明期のNEC製8ビットマイコンTK-80トレーニングキットです。当時のラジオ雑誌に広告が載っているのを見たことがありますが非常に高価だった覚えがあります。まぁ、何ができるかといったら?ですが、お金を持っている当時のマイコン少年やおじさん達は飛びつきました。
本物のゼロ戦を復元したものです。ゼロ戦とは零戦と書き、1940年に製造が開始された、三菱重工業製の旧日本海軍艦上戦闘機です。1940年は、皇起(神武天皇が即位した紀元前660年を元年とする)でいうと1600年になるため、ゼロ戦と名付けられたものです。ちょうど太平洋戦争の1年前に製造が始まりました。
ゼロ戦は小回りが利いて航続距離が長い戦闘機だったので、優秀なパイロットが登場していれば大きな戦果を挙げられました。しかし軽量化するあまり機体に防弾を全く行わなかったため、優秀なパイロットが次々に戦死していくと空中戦では不利になり、敵の機銃が数発当たっただけで火を噴き爆発墜落しました。翼内に燃料タンクがあったというのも一因と思われます。一方米軍の方は機体の防弾を行っていたため、戦闘機の性能向上と共にパイロットや機体の消耗率が徐々に減り、ついには戦況が逆転することになります。
パイロットの養成には時間がかかるので、1年以内に決着をつけられなかった旧日本軍が勝てる見込みは、ほとんどなかったでしょう。ミッドウェイ沖で主力空母の多くと、制空権を失った事は致命的です。
この機体は21型改造復座機とのことです。ゼロ戦は、いくつかの改良バージョンが存在します。ラバウル北西のニューブリテン島沖の海底から引き上げられた偵察機だったようです。
JAXAが開発した、小惑星探査機はやぶさが展示されています。2019年2月22日に、小惑星イトカワにタッチダウンして、小惑星のかけらを持ち帰った探査機です。はやぶさを打ち上げる前JAXAはHP上で、はやぶさがタッチダウンする際の目標となるターゲットマーカーに名前を記載しませんかというキャンペーンを行いました。正確に言うと「星の王子さまに会いに行きませんか」という表現でした。
すると国内外から88万人以上の名前が集まりました。これには、N村も応募しています。小さなターゲットマーカーですが、レーザーで記載されているので全員分書き込まれているそうです。そして、88万人分の思いを刻んだターゲットマーカーは、イトカワの表面にあることがJAXAによって確認されています。その時名前を書き込んだのと同じような形状の記念品が有料配布されたので、購入して大切に保管しています。
↓JAXAの参考HP
https://fanfun.jaxa.jp/faq/detail/333.html
こちらは、恐竜コーナーです。恐竜博物館といえば、福井県勝山市のものが規模・内容的に非常に優れており楽しめます。一度訪れたことがありますが、1日じっくり時間をとって見て回るほどの展示物がありました。ここ国立科学博物館でも巨大な恐竜骨格が展示されており見ごたえがあります。
恐竜の骨は化石になって残っているので、こういう骨格標本は復元可能ですが、実際に生きている姿はだれも見たことがないので、イラストで描かれている恐竜の色は想像らしいです。現代の爬虫類の色を参考にすると、一般的にイメージされる緑系の表皮かなと思いますが、もしかしたら鮮やかな色だった可能性もあります。最近は、ティラノサウルスの表面には毛が生えていたという証拠の化石が初めて見つかったりしましたが、一般的ではないという考古学者もいて、本当の事はわからないということみたいです。将来タイムマシンという乗り物が開発されれば、真実が分かるかもしれませんね。
ざっと一部を紹介しましたが、ゆっくり回ると一日コースです。時間をとって、楽しみたいですね。
国立科学博物館:東京都台東区上野公園7-20