こないだ、立川市の極地研究所に行ったのである。前に、日曜日に行ったら閉館していたので、今度は土曜日に行ってみました。
土曜日は開いてました。入場無料です。
さて、入ってみます。家族連れが多いようで、結構賑わってます。初代の雪上車のKD604型です。燃費は、なんと250m/ℓです。つまり、1Km走るのに、4リットル燃料が必要なのです。キャタピラー式で車重があるので、それくらいしか走れません。燃費より過酷な条件でも確実に動くという事が重要です。
中に、入れます。
KD604には、KWM-2A無線機が搭載されていました。米国コリンズ社製の真空管式高級SSBトランシーバーです。なんか、つまみも取れてて痛々しい状態です。上蓋を開けたら、すべての部品は外されてました。部品取りになったのかなぁ。今でも人気のある機種ですが、古い機種だけに素人だと維持するのが困難で、腕に自信のある(技術力の高い)アマチュア無線家が所持していることが多いようです。
こちらは、第一次隊で使用された受信機です。SSBの受信にも対応しています。
顔ハメありますよ。
南極のリアルライブ映像ですが、見ていてもあまり変化がないです(笑)
下の写真は、現在活躍している「しらせ5003」の模型です。初代「宗谷」から、すべて展示されています。先代のしらせ5002は退役後スクラップになる予定でしたが、ウエザーニュース社のご厚意により船橋に保存係留することが決まりました。
しらせサポーターズクラブがあり、年に数度の一般公開日には、会員になっていれば普段入れないような機関室とか艦橋下にある操舵室を見学することができます。入会費・年会費は不要なので、自分も会員になっています。希望者は、一般公開日に行けば入会できます。ネット等での受付はしていません。南極観測の歴史上貴重な船舶なので、保存されて良かったと思っています。
ちなみに南極観測船の初代は宗谷で、もともと南極観測用に設計された船ではありませんでした。旧ソ連(ソビエト社会主義共和国連邦)が日本に発注した耐氷型貨物船で1938年竣工ですが、太平洋戦争の3年前で日本海軍の要請もあり、結局引き渡されなかったそうです。戦時中は旧日本海軍の物資運搬船として使用され、米軍潜水艦の魚雷攻撃などにあいましたが、奇跡的に沈没を免れているという強運の船です。
戦後は、それを改造して南極観測船としました。耐氷型といっても南極観測用ではなかったため、力不足により南極の氷に閉じ込められるという事態にもなります。その時助けてくれたのが、ソ連の砕氷船オビ号だったというのは有名な話しです。第一次南極観測船には、唯一南極に行った猫「タケシ」が乗船していました。タケシは観測隊隊長の名前を貰った三毛猫のオスでした。(超レアな猫です)
タロ・ジロを始めとするカラフト犬たちは、帰還することができず置き去りになったのはみなさんご存じの通りですが、タケシは無事に帰国しました。帰国後タケシは隊員の家で飼われることになったのですが、ある日出て行ったまま帰らなかったそうです。雄大な南極大陸と、砕氷船を体験したタケシには日本の生活が合わなかったのかもしれません。
南極に住む、動物たちのはく製がありました。
建物の外には、カラフト犬のモニュメントがあります。あれ、これは確か東京タワーにあったようだが、と思ったらタワー側の整備工事に伴い、ここに移設されたとのことです。
ん~こいつだけ、なんか主張しているような…連れて帰ってくれよと言っているのかな。
日曜日・月曜日・祝日は休館です。国立極地研究所の駐車場を利用可能 多摩モノレール高松駅から徒歩15分くらい
国立極地研究所_南極北極科学館:東京都立川市緑町10-3 入館無料