こないだ、埼玉県小鹿野町にある、埼玉県山西省友好記念館に行ったのである。なぜなら2018年3月31日閉館と聞いたので、営業しているうちに一度は行ってみないとなと思ったのであります。といっても公共交通機関で行くには、相当難しそうな場所にあるみたいですが、車はないのでなんとか徒歩で行こうと思います。
とりあえず、お得な秩父フリー切符を購入します。西部新宿線の新井薬師前駅で購入しましたが、2,240円でした。西武秩父線の芦ヶ久保⇔西武秩父と、秩父鉄道の野上⇔三峰口間がフリーパスと区間となります。秩父鉄道って結構お高いので、フリー区間をうろちょろしなくても、若干お得になるような価格設定です。
一応、ざっと予定をたてます。朝8時過ぎくらいに出発したら、三峰口11:40発の小鹿野町営バスに乗れるだろう。自宅⇒(バス)中野⇒(徒歩)新井薬師(フリー切符購入)⇒所沢(乗り換え)⇒飯能(乗り換え)⇒西武秩父(乗り換え)⇒三峰口 12:30到着⇒バス行っちゃっいました。(見通しが甘いな)
日に数本の町営バスを逃しました。なんと、自宅から4時間半もかかりました。(正直、こんなに時間がかかるとは思っていませんでした)4時間半もあれば、飛行機だったらグアムまで、新幹線だったら広島くらいまで行けるぞ。(比較対象がおかしいだろう)
次のバスまで、2時間以上もあります。目的地までの地図はあります。(これは駅前の地図だろう、事前に調べてないのか)
2時間も待っていられないので、歩くか…
目的地に向かって歩き出しました。道には、まだ残雪があります。歩道があったり、なかったり。なるべく歩道らしきものがある方の路側帯を、車両に気を付けて歩いて行きます。途中に派出所があり前を通ったら、警察官の方に挨拶をされました。
「こんにちは」
「あ、こんにちは」
通常人が歩くような道でもないし、よそ者っぽかったので多少怪しまれたのかもしれません。車は、たまに通ります。
離合(りごう)できないトンネルです。離合って九州方面の方言らしいですね。ブラタモリを見ていて、初めて知りました。一般的には「すれちがい」と言うんですね。あまりに普通に使っているので、方言とは気が付きませんでした。それより、車一台がやっと通れるトンネルで照明もありません。ドランバーは、まさか人が歩いているとは思わないで、突っ込まれる恐れがあるので細心の注意を払って通り抜けることにします。
すれちがいが出来ないトンネルを無事に通過しました。このあたりは、熊がいるんですね。
2時間弱歩いて到着しました。それでも、バス待っているよりは早かったな。
1982年(昭和57)年10月に埼玉県と中国山西省が友好県となり、その10周年を記念して平成4年に神怡舘(しんいかん)が作られたそうです。
入館料は200円です。JAFカードがあると粗品をいただけますが、入館料の割引はありません。閉店セールに入っているので、不用品はタダで持って帰っていいとのことです。車ならいいのでしょうが、徒歩なのでちょっと無理です。
中国の山西省は、下の地図では色で示した内陸部のところです。埼玉県との人口や面積の比較がありますが、広大な中国大陸の省との比較なので、いまいちピンときません。
なかなか立派な館内です。お金をかけて造ったんだろうなとは感じます。
兵馬俑(へいばよう)ですね。わざわざ中国に行かなくても、埼玉でミニ兵馬俑を見ることができます。
応県木塔(おうけんもくとう)です。なんと、7人の職人が1年をかけて作り上げたとか。
三国時代の「関羽」の木像です。
巨大で貴重そうな壺です、地震とかで大丈夫なんだろうか?といらない心配をしてしまいました。
ガイドさんはいないのですが、展示物の前にはタッチパネルがあり、詳しい説明が聞けるようになっています。
中国人って、こういった切り絵が得意ですね。昭和の頃は、海外の短波放送を聞いて受信報告書を送り、放送局から受信証明書(ベリカード)をもらうということが流行りました。自分も中国の北京放送局(現在の中国国際放送局)に受信報告書を送ったら、ベリカードとともに、このような切り絵の小型版をいただいたことがあります。
教室みたいなところがあり、ビデオが見られます。
売店にお願いすると、上映してくれます。山西浪漫という、山西省の紹介ビデオ(約20分)を見せていただきました。
帰りは歩くの辛いので、絶対に乗り損ねないようにしないといけません。また2時間かけて駅に戻るのは辛すぎます。神怡舘は多くの貴重な展示物があり金もかけて箱もの造ったが、場所が辺鄙なところにあるため入場者は少なかったようだ。一般財団法人小鹿野町振興公社が指定管理を受け運営しているが、もう限界なんだろう。
車ならまだしも、電車+バスで行こうとしたらかなり遠く感じます。三峰口まで行けば、バスが無くてもなんとか歩けるということは分かりました。(ウォーキングが趣味の方以外ならバスが絶対いいです)
まだ反日感情が少なかった時代には、旅行代金も安かったせいもあり、阪急交通社のトラピックスツアーで何回か中国を訪れました。今はちょっと怖くて、行く気になれません。ここで兵馬俑を見たから、もういいかな。
埼玉県秩父郡小鹿野町両神薄2245 2018年3月31日に閉館します
-------------------------------------------------------------------
2025年6月17日 追記
その後の神怡舘が気になって調べてみました。財団法人小鹿町振興公社のHPによると、クライミングパーク神怡舘として蘇っていました。地域最大級(どこまで指すのか不明ですが)の室内ボルダリング施設とのことでHPがあります。
↓クライミングパーク神怡舘のHP
https://www.town.ogano.lg.jp/crimeshin2/
神怡舘HPの写真を見ると、かつての中国由来の展示物はすべて撤去されており、ボルダリング用の壁が設置されています。有効活用されていて廃墟にならなかったのは良かったと思います。