昨日のブログからのつづきです。こないだ、三鷹の国立天文台に行ったのであります。太陽を観測した(しとやんやろう)後は、太陽系ウォークに向かいます。
太陽系の中心は、太陽なのでスタートは太陽です。がんがん燃えているので熱いです。(冬に訪問したので寒いのですが)
太陽系の距離を140億分の1、天体のサイズを14億分の1にしたモデルです。
水星、近いな。英語だとMercury(マーキュリー)です。太陽系の中では大きさは最小、質量も最小という小さな惑星なので大気を維持できず、太陽に近いので表面温度は最大430℃、最低は-170℃なので600℃以上の寒暖差がある過酷な環境です。内惑星で太陽に近いため、なかなか肉眼では見る機会がありません。日の入り・明け方の部分を常に移動していけば、極端な温度差にはならないのでしょうが、住むには不適ですね。
すぐに金星に到着します。英語だとVenus(ヴィーナス)です。大気はありますが、主成分が二酸化炭素なので、温室効果により表面は460℃という高温になっています。内惑星ですが、水星より外側を廻っているため、宵の明星・明けの明星として非常に明るく見えるので、肉眼でも容易に見つけることができます。どこにいても地表は高温なので、住むには適していませんね。
お馴染みの地球です。英語はお馴染みのEarth(アース)です。ハビタブルゾーン(液体の水が存在できる範囲)にあり、今のところ生物が確認されている唯一の惑星です。人間という生物が進化(文明という)したせいで、地球環境は短期間で汚染されていき、生物の生存に適さない惑星になりつつあります。
今後、人類がどういう道を選択するかにより、永期にわたった繁栄できるか絶滅の道を進むかが問われいいます。どちらにしても、太陽系は太陽の寿命以上に存在はできないので、遠い将来は他の恒星系に移住するか太陽と共に絶滅の道を歩むかしか選択肢がありません。それまで、人類が存続しているという保証は一切ないので、心配するだけ無駄とは思います。
火星までひと歩きです。英語だとMars(マース)です。この惑星もハビタブルゾーンに位置するので、水が液体で存在できる環境なのですが、現在の火星の表面には水が確認できません。大昔の火星には水があったかもしれないという学説もあるので、今後研究が進むものと思われます。2011年には米国のキュリオシティ、2020年には同国のオポチュニティというローバーが送り込まれたので期待がもてます。
火星は肉眼でも、赤く明るい星ということで容易に見ることができます。簡易な望遠鏡でも表面がある程度見えるので、地表の筋を運河と考え、火星人がいるぞと考える人も多く、いろいろいな火星の映画が作られました。その中でも、代表的な火星人はタコ型に描かれていたので、火星人=タコ星人というイメージが定着しました。
HGウェルズの宇宙戦争が、アメリカのラジオ放送で流され、それが引き金になりパニックが起こったというのは有名な話です。大気は薄く主成分は二酸化炭素なので、そのままでは人類は生存できませんが、ドーム型の施設を作れば短期間なら生存はできそうです。ただし、水や食料をどうするかという問題があります。地下に水があれば、どうやって入手するかという問題はありますが、少しは長期滞在に向けての期待ができるかもしれません。
木星は、一気に遠くなります。英語だとJupiter(ジュピター)です。水素とヘリウムの大気で作られている、巨大なガス惑星です。木星のコアについては、非常に低密度であるといわれているので、ほぼガスで構成されているようです。ガスとはいっても、あまりに巨大なため重力が大きく、地球に害をおよぼすような巨大な彗星が木星に衝突する確率が高くなるので、太陽系の守り神とも呼ばれています。実際に近年は、シューメイカー・レビュー彗星(複数の彗星)が木星に激しく衝突する現象が観測されています。
小型の望遠鏡でも表面の巨大な渦、大赤斑を見ることができます。直径は17,000Km以上あり、地球が2つ入ってしまうほどの大きさです。350年以上前に発見されてから、現在でも観測できるので、安定した大気の流れができているようです。巨大なガス惑星なので、住むには不適ですね。
土星は、さらに遠い位置にあります。英語だとsaturn(サターン)です。だれでも知っている輪が自慢の惑星で、太陽系では一番の美しさがあります。
これも小型の望遠鏡で見えますが、一枚リングに見える輪は探査機で調べると、いくつかに分かれていることが分かっています。輪は大小の氷が主成分ですが、厚さは数十から数百メートルくらいしかありません。土星の傾きにより、輪が地球に向くと、ほとんど見えなくなる場合があります。大気は水素とヘリウムからなる巨大なガス惑星ですが、岩や氷、流体の水素とヘリウムなどでできたコアがあると言われています。
土星の衛星エンケラドスは氷で覆われていますが、探査機カッシーニが氷から噴出する液体を観測しました。地下には液体の水があることが判明し、噴出物には有機物であるリンが含まれていたため、地下水の中に生物がいるのではないかと言われいわれています。将来、探査機を送り込めれば、詳細が判明するかもしれません。
あら、その他まとめて天王星・海王星と書かれています。冥王星(Pluto)は惑星から離脱で、かわいそうです。長らく冥王星は惑星と認識されていたのですが、近年同程度の天体が相次いで見つかりました。冥王星を惑星とするならば他の天体も惑星と呼ぶか、冥王星をその他の小惑星とするかが議論になり、結果冥王星が負けたものです。
自分が小学校のころは、水金地火木土天海冥と覚えたのが懐かしいです。余談ですが、海王星の軌道はほぼ円ですが、冥王星は円に近い楕円形のため入れ替わることがあります。1979年から1999年までは、水金地火木土天冥海になりました。
ウォーキングの最後は、天文台歴史館です。人はいないので、自由見学になります。
65cm屈折望遠鏡は、ちょーでかいです。屈折望遠鏡というのは主レンズと接眼レンズで構成されていて、口径が大きくなると筒の長さが長くなります。口径が1mを超えると製作が困難になるので、反射型の望遠鏡が主流になります。
操作盤ですが、動作しないようですね。
資料館というだけに、宇宙に関する展示が多数あります。
ゆっくり見て回りましょうか。
1F(望遠鏡の下の階)も見学できます。奈落の底のような作りです。
M31アンドロメダ星雲の、写真乾板です。メシエ番号が付与されたアンドロメダ星雲は特に有名で、我が銀河系に近く小型の望遠鏡でも容易に見ることができます。
ルーペがあるので、拡大して見られます。
なにやら、上階が賑やかです。子供が走り回って騒いでいるようです。木の床なので、やかましいですね。監視カメラがあり、上の様子が見られます。あ、やっぱり子供たちが暴れまわってます。
子供にとっては珍しい遊び場くらいしか思っていないのかも。
つづく