三代目南極観測船「しらせ」は、海上自衛隊の艦艇ですが、退役後「SHIRASE5002」として、船橋の護岸に係留されています。現役時代のしらせは、1983年から2008年にかけて、日本と南極間を25往復しました。
退役後のしらせは、スクラップにされる予定でしたが、ウェザーニュース社創業者の石橋博良氏が異をとなえ、環境のシンボルとして活用することを提案し、2010年5月から船橋港に係留されているものです。保存や維持に当たっては、相当の資金が必要だと思われますが、ウェザーニュース社のご厚意によるものでしょう。ほんと危機一髪というところでした。
詳細はSHIRASE5002のHPに書かれています。:https://shirase.info
「2013年からはより公益的な取組みを行うことを目的として、同氏が設立した財団「一般財団法人WNI気象文化創造センター」に所有権を移行し、見学会や体験型のイベントなどを行っております」と書いています。
SHIRASE5002は、年に数回、艦内の公開行事があるので、2016年11月20日に行ってみました。
実は、この「しらせ」に乗るのは30数年ぶりなのです。学生の時、ゼミの先生が南極観測隊員の副隊長に選ばれて出港する前に、お呼ばれして艦内を見学したことがあります。当時しらせは現役だったので、海自の人のエスコート付きでした。しらせは海自の船なので、運行は海自が行いますが観測隊員は民間人です。
日本から出航するしらせには、観測隊員は乗船しません。行きは西オーストラリア州のパースに入港し、食料・水などの補給を行うのですが、観測隊員は飛行機でパースに飛び、そこから乗船することになります。日本⇔オーストラリア間の航海は、観測隊員が乗っていてもやることはなく、水と食料と時間の無駄ですからね。
その日はJR新習志野駅前から、有料のシャトルバスが運行されると聞いていました。
乗り場は、どこだろう。初めてなので分かりません。駅前のロータリーを一周しました。
これか? しかし、バスの前面には千葉工業大学と書いてます。
あ、これで間違いなかった。よく探すと、SHIRASEバス乗車場所の看板がありました。駅の南口を出て、ロータリーの右側がシャトルバスの乗り場です。
「いくらですか?」
「200円ですが、下りたところで払って下さい」
「交通系のカードは使えますか?」
「現金のみです」
「分かりました」
スクールバスみたいだな。そんなに混んでいないので、ゆったり座れるのは有難いです。
バスを降りて現地で、200円払います。バス代というよりも、埠頭通行料という名目です。帰りのチケットにもなるので、無くさないようにしましょう。帰りは支払いは無いので、往復で200円ということです。
船橋ふ頭にどどーんと係留されています。でかいな、それに美しい船体です。南極観測船の初代宗谷は東京のお台場で、二代目のしらせ5001は、名古屋港で保存されています。お台場の宗谷には行ったことがありますが、二代目しらせ5001は未訪問なので、いつかは行ってみたいと思っています。
ここで受付します。
イベント券は、ここであらかじめ必要な分を貰います。プラネタリウムは有料で500円です。時間配分を考えて、行きたいイベント券は貰っておいた方がいいでしょう。人数制限があるので、後でと思ったらなくなっちゃいます。
護岸では演奏会や、チアリーダーの演技などがあります。(チアリーダーは撮影禁止)
さて、いよいよ乗船です。急なタラップを上っていきます。
この後部格納庫は見覚えがあります。たしか、ヘリが格納されていたはずだ。今は、イベント会場になっています。
艦の後部では「SHIRASEサポーターズクラブ※」の募集をやっています。
「年会費はいくらですか?」
「無料です、メールでSHIRASEの情報が配信されます。それと、サポーター限定の艦内ツアーがあります」
「今すぐ入ります」
「今日はツアーありますか?」
「14時からのがあります」
「今すぐ申し込みます」
後部甲板上は屋台も出て、お祭りです。いい感じで盛り上がっています。
※SHIRASEサポーターズクラブは、現地申し込みのみです。ネットでは募集していません。
つづく