こないだ(2016年7月24日)、横浜散策に行ったのである。赤煉瓦パークを歩いていたら、遠くに工作船資料館の文字を発見しました。隣は、海上保安庁の建物です。

 行ったことがない資料館なので、すかさず向かって行きました。海上保安庁の巡視船あきつしま(PLH32)が停泊してます。ヘリコプター2機を搭載できる最大級の巡視船です。

 ここが入り口です。入館無料ですが、寄付金募集とのことで心づけを入れました。

 これが北朝鮮の工作船です。そういえば当時テレビで話題になってました。自分が思ったよりも、かなり大型の船舶です。

 船体にMZの文字が見えるので、宮崎県の所属に見せかけていたのでしょう。

 船内から発見された、無線機です。ICOMのレシーバーIC-R71(写真左)と、430MHzオールモード機のIC-475H(写真右)輸出用モデルです。


 IC-R71は、HFからVHFまでのレシーバーなので、本国からの指令受信用かな。IC-475H(430MHzのオールモード)は、430MHz~450MHz(米国モデル)75Wなので、仲間との連絡用の可能性もあります。日本国内では、430MHz帯はEME(月面反射)などの特殊な用途以外では、50W制限出力なので国内では簡単には免許になりません。米国では免許制度が異なるので、合法的に使えます。

 

 電鍵もあるので、430MHzでCW通信をやっていたのでしょうか? 本国との直接交信ができる、HF(短波帯)のトランシーバーが見当たりません。海中投棄したのかな?

 ICOMのマリンバンド用ハンディトランシーバー(写真左)と、パナソニックのハンディトランシーバーがあります(昔のCB無線機みたい)

 右のパナソニックの無線機は、近距離用でしょう。出力が低くて内蔵のホイップアンテナでは飛ばないので、傍受されにくいというメリットがあります。左側のICOM製ハンディ機は、マリンバンド用です。どうやら、かの国はICOM製の無線機がお気に入りのようです。手に入りやすいのでしょうか。

 当時の射撃映像(撃ったり撃たれたり)もあり、迫力があります。工作船側から発砲があったため、正当防衛射撃を行ったものです。相手はロケットランチャーまで持ち出して撃ってきたのですから、たまったものじゃありません。運よく、当たらなかったのは幸いでた。銃弾は多数、巡視船に当たっています。逃げられないと悟り、最後は自爆し工作員は全員死亡しました。船体は、サルベージにより後に引き上げられました。こういう外国の工作船が、普通に日本近海に出没していたのは恐ろしいことです。

 船体内部の構造も、見られます。小型のボートが収容できます。ぶつの取引とか、上陸用に使われたのでしょう。いまだに北朝鮮に連れ去られたまま帰国できない日本人がいるのは、とんでもないことです。

 船体上部の構造も、見学できるようになっています。

 海上保安庁は命がけだったと思いますが、よくやったと思います。また、証拠としての不審船の保存展示は、世に知らしめるために必要な事なので、末永く保存されることを望みます。

  工作船資料館:神奈川県横浜市中区新港1-2-1 Pなし 近くの有料Pへ