したがって、もし霊的成長ができないまま地上人生を終えるとするなら、人生のすべてを無駄にしたことになります。
「地上に生まれた価値がない」ということになってしまいます。
私たち人間にとっての本来の世界は霊界です。
今こうして生きている地上世界は、仮の居住場所です。
私たちは今後、霊の世界で何十万年、何百万年……と、永遠に生き続けていくことになります。
そうした永遠の歩みに比べると、この地上人生は、たかだか百年程度にすぎません。
地上生活は、長旅における一夜の宿のようなものなのです。
しかし、そのわずかな地上世界での生活には、今述べたような重要な意味があります。
地上世界は、本来の住処である霊界での生活への準備をする所であり、魂のトレーニング場なのです。
地上でしっかりと準備をすれば、霊界での生活は喜びに満ちたものとなります。
もし、その貴重な地上人生を怠惰に送り、肝心な準備ができなかったとするならば死後、長期間にわたって後悔と無念の時を過ごさなければならなくなります。
この世においても、自分のちょっとした不注意から、取り返しのつかないようなミスや失敗をしでかしてしまうようなことがあります。
そしてその後何十年にもわたって、後悔の思いを持ち続けるようになります。
また、ほんの一瞬の誘惑に負けたために、その後の人生を人目を避けて生きなければならないようになることもあります。
その人の味わう無念さや恥ずかしさは、言葉には言い表せません。
しかし霊界における後悔は、そうしたものとは比較にならないくらい深刻なものなのです。
現在、地上の多くの人々が、その大切な地上人生を無意味に過ごしています。
必要以上にこの世の富や名声を得ようと莫大な時間とエネルギーを費やし、その結果、霊界における永遠の宝を自ら捨て去ることになっています。
霊界の生活に対する準備が全くなされていない人々、あるいは霊的世界についての事実を何も知らず間違った考えを詰め込んできた人々は、霊界に行ってからもう一度、ゼロから地上と霊界についての真理を学び直さなければならなくなります。
本当は地上世界にいる間にそうした“教訓”を学ぶ方が、ずっと自然で容易なのです。”