ぜひ行ってみたいところの1つが、フランスのマルメゾン城
今は美術館になってるとかで、ほんとに行ってみたい
素敵~
ここはナポレオンの最初の妻ジョゼフィーヌが買い上げ、全勢力を注いで造り上げた地上の楽園です
それなのにこれだけ大自然に囲まれ、のどかな美しさが楽しめるマルメゾンは、ジョゼフィーヌどころか、最初はマルメゾン購入に激怒したと言うナポレオンも大のお気に入りだったそう
堅苦しいチュイルリー宮殿(に住んでいた)をよく抜け出して、ナポレオンとジョゼフィーヌはよくここに息抜きに来ていたとか
東京から千葉か神奈川の別荘に行く感覚ですよね
それだけ居心地が良かったんですね
まだジョゼフィーヌたちが新婚で、ナポレオンが1人でジョゼフィーヌに熱をあげていた頃
エジプトに遠征に行き命がけで戦っていたナポレオンを尻目に、ジョゼフィーヌは再三の「早く来てくれて」と言う懇願の手紙💌をガン無視し、パリでイッポリト=シャルルと言う(箸にも棒にもかからない)軽薄色男と浮気を楽しみ、さらに前から目をつけていたマルメゾン購入に踏み切ります…
踏み切ると言ったって、この時ジョゼフィーヌは一文無し👛
いや、一文無しならまだしも、借金だらけですらありました…
それなのにマルメゾン城がどうしても欲しくて、売りに出ているのを知るとすぐさま駆けつけ、36万フランを32万5千フラン(2億円前後)に値切って手に入れます
誰かも書いていましたが、よくも値切れたものです
値切ったところで莫大なお金
借金だらけの女が買えるような代物では到底ありません
しかも手付金すら払えなかったので、マルメゾンの管理人に「このまま雇ってあげるから、手付金を立て替えておいて」と頼み、どうにか払った始末…
そしてそのままマルメゾンに住み着きます
驚くべきことに、愛人のシャルルもここで暮らしており、2人で夕方などに仲良く散歩するのを見かけた近所の人たちは、てっきりジョゼフィーヌとその息子が散歩しているのだと勘違いして微笑ましく思っていたのだとか…
それにしてもマルメゾンの莫大な支払いはどうするか…
シャルルにも金はない…
しかし…
ジョゼフィーヌには財布の当てがあったのです…
夫のナポレオンです
ジョゼフィーヌは、ナポレオンがエジプトでブン獲ってくる戦利品やお金を当てにして、ナポレオンに相談も無しにマルメゾン城を購入したのです…
だから、ナポレオンから連絡が途絶えたり、戦況が良くないと知ると、ナポレオンが死ぬことを心配して気が気ではありませんでした
ナポレオンの安全が心配なのではなく、マルメゾンの借金が返せなくなると青ざめたからです…
何て女だ…
気の毒すぎるナポレオン
このエジプト遠征中はナポレオンにとっては苦悩の時期で、熱愛していた(と言うか熱烈に愛し合っていると信じ込んでいた)ジョゼフィーヌの浮気を、数々の証拠や証言から確信してしまいます
さらに手紙で激しくジョゼフィーヌの不実をなじったところ、その手紙を乗せた船が宿敵イギリスに捕獲され、イギリスの新聞に全文掲載されて世間の笑い者になります(丁寧な翻訳付きだった…意地悪だなあ)
大恥じかいて失意のナポレオンは、エジプトで知り合ったフランス美女と初めての浮気をしますが(それまではどんな美女に言い寄られても見向きもしなかった)、これはジョゼフィーヌへの復讐心から取った衝動的行動だったため、すぐに冷めて、フランスへ戻ってからはジョゼフィーヌと再会したこともあって、訪ねてきた美女との面会すら嫌がったそう…
しかし、もともとはジョゼフィーヌと別れてこの美女と再婚しようとも思っていたほど、ジョゼフィーヌの裏切りに怒り狂っていたナポレオン
エジプトからカンカンに怒って帰国してみると、自分を迎えるどころか、愛人と遊び回っているジョゼフィーヌの姿は影も形もない(実は離婚されないようにナポレオンに早く会って説得しようとして、間違った場所に行ってしまっていた)
さらにジョゼフィーヌは自分になんの相談もなく、高額なマルメゾン城を勝手に購入済み…
とうとう堪忍袋の緒が切れたナポレオンは、ジョゼフィーヌの家具をすべて外に放り出し、自室の鍵をかけて閉じこもります…(かわいそうすぎる…)
慌てて戻ってきたジョゼフィーヌは、ナポレオンに懐いていた連れ子2人も駆り出して(2人とも気立てが良く、ナポレオンもとても可愛がっていた)3人でドアの前で泣いたり哀願したり、とんでもない騒ぎが繰り広げられたそう…
一晩中こんな事が続いたあと、遂に折れたナポレオンは真っ赤に泣き腫らした目でドアを開け、ジョゼフィーヌを許したそう…
いや、よく許せるな…
この後、ジョゼフィーヌはナポレオンをベッドに連れ込んで仲直りに持ち込み、翌朝は勝ち誇った表情を浮かべていたそうな
しかし、もちろんナポレオンはこのときの心の傷を忘れず、この後、本格的に権力を持ち始めた事もあり、怒涛の浮気癖が始まります(生涯で100人以上は愛人が居たとか)
借金で買ったことなどまるで気にしていません
ジョゼフィーヌは本名がローズだったこともあり、薔薇をこよなく愛しました
ジョゼフィーヌはナポレオンが勝手につけたあだ名だとか
そちらの方が有名になってしまったんですね
現在の美しい華やかな薔薇があるのは、ジョゼフィーヌがありとあらゆる薔薇の原種を集めさせ、その改良に精力的に取り組んだからだそう
もともと薔薇はそんなに美しい花種ではなく、品種改良によって一躍花の女王に躍り出たのだとか
やっぱりただの浪費家ではなく、ジョゼフィーヌはセンスが素晴らしい人だったんですよね
ナポレオンもジョゼフィーヌの化粧や服装、アクセサリー、趣味の良さ、立ち居振舞いには一目置いており、周りに自慢していたとか
頬紅を頬全体に塗るやり方、香水を微かな香りのオードトワレにするやり方などはジョゼフィーヌが始めたのですが、ナポレオンはこれを大変気に入って、宮廷の全女性に強要したりもしてました(迷惑やな)
そう、やっぱり、なんだかんだすごく自慢の妻だったんですよね
自分で改良した薔薇は画家にスケッチさせていた
(この画集は今も買えるそうだからすごい)
いやー、ほんとにすごい夫婦だ…
最後は権力に血迷ったナポレオンが、より高貴な血筋の我が子を望んでジョゼフィーヌと離婚し、ハプスブルク家の姫と再婚してしまいますが、もちろんナポレオンは彼女とは話が合わず甘やかすだけで、再婚してからもマルメゾンにしょっちゅうジョゼフィーヌを訪ねてはお喋りしていたとか
そう、離婚の際、マルメゾンはジョゼフィーヌがちゃっかりもらっていたのです
結局ジョゼフィーヌは、最後までこの城でのんび~り暮らし、ナポレオンがどこか孤島に流されてる間に、ここで静かに亡くなります
一応ナポレオンの心配はしていたとか…
でも、だからといって絶海の孤島までわざわざ苦労して会いに行くジョゼフィーヌではありませんでした…
最後まで呑気だったジョゼフィーヌ
素晴らしいですね
(写真お借りしました)