最近金融機関の方とお話すると、

「どこも人手不足です」

と仰ることが多い。

特に今年は顕著です。

 

それを悪いことかのように

語られることが多いが、

そこで私はいつも思う。

「人手不足」は、

悪いことなのか?

 

その背景として、

ある絶対法則が

軽視されていないか危惧する。

 

それは

「採用の失敗は、

育成で挽回できない」

ということです。

 

どれだけすごい育成術、

育成プランがその組織にあっても、

採用の失敗はリカバリーできない。

 

これは経営者必読書、

ジム・コリンズ著の

『ビジョナリー・カンパニー2』

で示されている原則です。

 

この著書の中で、

以下3つが示されている。

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1、成功を収めるためには

「何をすべきか」よりも

「誰を選ぶか」を先に考える

 

2、適切な人材が組織に

参加してくれれば、

動機付けや業務管理などの

問題はほとんど発生しない

 

3、不適切な人材が多い組織は、

たとえ優れた方向性や計画が

あっても偉大な組織には

なりえない

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私自身も採用の最終面接を行う。

少しでも違和感があれば、

許可することはない。

 

さらに5-10分で見抜けないので、

試用期間も設けて、

しっかり見極める。

 

特に上記3つでいえば、

「2」の影響が大きいのだ。

 

つまり、

「動機付けや業務管理」

のミーティングをしている時点で、

既におかしいというわけです。

当人と上司の人件費も無駄ですし、

そのことを考える思考時間も無駄、

無駄に複利がかかります。

 

1つの目安として、

「動機付けや業務管理」

が議論になっている時は、

【その人間は適切な人材なのか?】

と検討すべきです。

 

その問題を解決するより、

【その存在そのものの意義】を

最初に問うべきと考えます。

 

逆に言えば定例面談などで、

この話題が出るかどうかで

適切/不適切のフィルターができます。

 

 

なぜならこの10年間で、

私は適切な人材と

そんなミーティングを

一度もしたことがないからです。

それでも十分に満足して

活躍してくれています。

 

また、人手不足や期日が設定され、

採用人数や計画があると、

不適切な人材の採用率が上がる。

大企業なら無駄を吸収できる。

しかし中小企業にそんな体力は

ないのが現実でしょう。

 

つまり、中小企業ならば、

万年採用こそが健全ではないか。

それほどに採用は

怖くて重要なことなのだ。

人件費の純増などどうでもいい。

 

不適切な人材がもたらすマイナスは

複利で増幅してしまう。

それを最も恐れるのです。

「腐ったミカン」になるのです。

 

弊社もたまに人手不足の話が

耳に入ることがあるが、

完全に無視しています。

適切な人材を

常に探しているからです。

適切な人材だけ欲しいのです。

 

もちろん金融機関に

経営経験者はいないので、

このことに気付かない。

しかしこれが真理です。

今後もこのルールは絶対です。

安易な採用が最も組織を

腐らせるのです。

 

「採用の失敗は、

育成で挽回できない」