先日、大阪に滞在時に、

偶然昔お会いした方に出会った。

 

8年前に初めて出会い、

当時はイケイケ社長だったが、

今はすっかり変わってしまい、

こじんまりした個人事業主に

変わってしまっていた。

 

思い出せば8年前、

私が年上ということもあり、

「人間が持つ嫉妬の力を

甘く見ないほうがいいよ」

とお伝えした。

 

というのも、

ビジネスの場なのに、

トゲトゲの靴を履いて、

ネックレスを露出させ、

そっち系だったからです。

彼は商談の1時間でも

同じことを3回は言った。

「自分で稼いだお金を

何に使おうが勝手ですしね」

と。

 

その言葉への回答が

冒頭の私の言葉です。

 

 

たしかにそうだ。

自分のお金をどう使おうが、

その人の勝手です。

 

と同時に

人間は社会的生き物です。

あなたが地球上に一人なら、

その言葉の通りでいい。

しかし、人間はたくさんの

人の中で生きている。

「私だけ」で完結することなど

そもそも何もないのだ。

 

そして、何より、

人間の持つ嫉妬のパワーは

極めて恐ろしいのだ。

この本にもあるが、

それは本当に怖いものだ。

 

 

 

 

と同時に

長く繁栄する人や会社は、

必ず嫉妬と上手に付き合っている。

 

最近では、

自分は自分と割り切り、

他者の視点は気にするな!

まわりを気にするな!

とがっていこうぜ!

的な話は多いが、

人間は社会的存在である、

その事実からは、

逃げも隠れもできないのだ。

 

窮屈にも感じるが、

自らを客観視できるか

どうかです。

そこで折り合いが

つけられる人は、

他の場面でも

本能と理性とが

バランスできる。

 

しかし、本能に傾き、

「私のお金をどうしようが

私の勝手じゃん」と、

割り切った思考になった時、

一気にバランスが崩れるのだろう。

 

「私のお金をどうしようが

私の勝手じゃん」は、

決して間違っていないのだ。

何度も言うが正しい。

 

 

ただ、この社会は、

論理性や正しさだけで

成り立っていない。

「なんかムカツク」

「なんかうざい」

「若いくせに」

「なんであいつばっか」

などの負の感情が

渦巻いている。

そういうものです。

 

いくら論理的でも、

「広義の嫉妬」を

買っていると、

それが蓄積し、

足元をすくわれる。

 

それをこの本では、

「洗面器から最初に

顔を上げた奴が負ける」

と表現しています。

名言です。

 

ようは割り切った者が

負けるということです。

 

 

これは経営者に

限った話ではないと思う。

 

人間の持つ

「妬み」「嫉み」の力は

とんでもなく強いのだ。

 

もちろん、冒頭に登場した

大阪で出会った知人も

嫉妬が原因で退場しました。