F-X インターオペラビリティ
来年から導入する計画だったのに、いまだ機種が決まらない自衛隊の次期戦闘機F-X(第四次)。
F-22A、F/A-18E/F、F-15FX、F-35、欧州のタイフーンなどの候補がありましたが、F-22は米議会が輸出に反対で没。F-35もそれ自身の実用化が遅延中で、F-35C導入予定の米海軍は、F/A-18A-Dの劣化問題があり、深刻な戦闘機不足の懸念があり、当然日本などに回す分はなく、間に合わず。
欧州のユーロファイタータイフーンは、ステルス性能やスーパークルーズ性能など航続距離以外ではかなりの性能を誇り、不況で受注が減っているので、日本でのライセンス生産にも積極的です。
しかし、米軍とのインターオペラビリティを理由に、防衛省は消極的に見えます。
でも、インターオペラビリティってそもそも他国の軍との共同作戦能力のことで、IT用語では違う機器を組み合せてシステムを組める性能のことです。 米軍と同じ機体じゃないと、米軍と共同作戦はできないのでしょうか?
確かにF-86、F-104、F-4、F-15と、空自の戦闘機は米空軍の主力機と同一でした。(F-104はちょっと微妙)
しかし、同じ機体じゃないと共同作戦ができないのなら、米空軍と米海軍は共同作戦が難しいのか?
F-4以外では両者が同じ機体を主力に据えたのは戦後ありません。
現代戦で一番大事なインターオペラビリティは電子戦機器やリンク機器だと思いますが、ライセンス生産のF-15Jは、電子戦機器は機密の問題から供給してもらえず、国産になっています。
だったら、米国機に拘らなくてもいいような気がするのですが。やっぱりこれは多分に政治的な理由なんでしょうね。
普天間問題で、米国、米軍との関係も、国防に関する国内の世論も、政権党への信頼もぐちゃぐちゃに揺らいでいる昨今、F-X問題が解決しそうな気配は全くありませんね。
F-15FXも時間がかかりそうだし、国産F-2アップグレードをつなぎにして、本腰を入れて次期戦闘機をしっかりと計画するのが良さそうな気がするのですが。 ロシアのPAK FAもあるし、そこまでいかなくても周辺国はフランカーかフランカー並みの機体をどんどん配備しています。 ここはしっかりと抑止力としての制空能力をしっかりと考えておかないと。
良く考えたら冷戦中と違って、今や東アジアは中近東並みかそれよりも一触即発度の高い地域になっています。
早く決めて欲しい、F-X。
F-35B Lightning II 垂直離着陸
ハリヤーの後継機である、F-35のB型の垂直離着陸初飛行が3月に行われました。

F-35のBタイプは操縦席のすぐ後ろに大きな送風機、リフトファンを持っています。この垂直のファンは、胴体後部のジェットエンジンの低速側シャフトと繋がっており、離着陸時は上から吸い込んだ空気を下から噴き出します。上の写真のフロントギアの後ろのハッチが噴き出し口です。
また、ジェットエンジンのノズルがヴェクタースラストと言って角度の変えられる方式になっています。上の写真でも、ノズルはほぼ真下を向いていますね。実はこれはロシアの技術を買ったもので、Yak-141という80年代のロシアの垂直離着陸戦闘機がオリジンです。(Yak-141の外観を見ると、かなりF-35に似ています)

この写真のようにリフトファンの上部は後ろヒンジで開きます。プロトタイプでは左右開き(通称ネコミミ)でした。

これは実証機のXF35Bですが、偏向ノズルが垂直に曲がっている様子がよくわかります。

こちらはロッキード社のWebサイトです。
http://www.lockheedmartin.com/aeronautics/media-center/f-35-first-verticleLanding.html
ジェットエンジン
ジェットエンジンとロケットエンジンは、似てる気がしますが、原理は全く違います。
ジェットエンジンは前方から空気を吸い込み、扇風機みたいな羽根車(コンプレッサー)で圧縮し、大気圧に対して20倍以上に圧縮された空気に灯油と同等成分の燃料を噴射して燃やします。
およそ700度の高温になって膨張した燃焼ガスで、今度はタービンという羽根車を回します。その回転力で前方のコンプレッサーを回転させつつ、勢いのまだまだある燃焼ガスを後方に排気して、推進力(前に進む力)を得ます。
これがジェットエンジンの基本原理です。形状は全く違うものの、自動車に使われているガソリンエンジンと同じく、内燃機関の一種です。(これは機械好きの人でも意外と知らない)
ジェットエンジンの発達によって、航空エンジンの信頼性は飛躍的に高まりました。
プロペラを回すレシプロエンジンよりも、
1)回転運動だけでピストン運動がないので機械的ストレスや振動が少ない
2)定常燃焼でずっと火が燃え続けるストーブみたいな原理なので、レシプロにように、毎回毎回爆発させるわけではないので、失火のリスクが少ない
などの点で遥かに信頼性が高いのです。
ジェットエンジンのおかげで、我々は安全に安く空の旅を手に入れることができました。
今日もたくさんのジェットエンジンが大空を駆け巡っています。
