介護施設バブルの記憶(2015〜2021)


2015年頃から、日本では特別養護老人ホームなどの介護施設建設が急速に増えた。背景にあったのは、団塊世代が75歳以上になる「2025年問題」である。国は施設不足を懸念し、建設補助や人材確保の支援を拡大した。その結果、全国で介護施設の建設ラッシュが起きた。


この時期、外国人介護人材の受け入れ制度も拡大した。インドネシアやベトナムなどからの人材を受け入れる政策が進み、施設によっては「スタッフの一定割合を外国人にする」という方針が掲げられることもあった。


しかし2020年前後から流れが変わる。


最大の要因は

COVID-19 pandemic

である。外国人の入国が止まり、人材計画が崩れた。また施設数が急増したことで、地域によっては供給過多の兆候も見え始めた。さらに介護職の人手不足は深刻化し、「建物はあるが働く人がいない」という問題が表面化した。


結果として、2015〜2020年にかけての拡張的な流れは、2021年前後にかけて急速に減速した。現場で働く者の感覚としては、まさに「介護施設バブル」が突然静まったように見えたのである。