先回の記事で、まつをやるせない気持ちにさせた突然の来訪者たち。
まつが深い信頼と期待を寄せ、限りなく自分を出せる特別な人たちが5人。
みんな長い年月苦楽を共にし、共に成長し、人生を学んだ。
一台の車に乗ってやってきた。
その日の日中、以前の建設奉仕仲間から電話が入った。
まつの会衆の救援の奉仕で必要となった特殊な道具を、まつが持っていると聞いたのでぜひ貸して欲しいと。いけ好かない野郎から…。
“都合のいいときにばっかり連絡してきやがって”と毒づいてみたものの、長年老齢のお母さんの介護に明け暮れて死によって開放された一人暮らしの姉妹のお宅のためと聞き、快諾した。
まつが現場のあいだ取りに来たのだが、夜になってそれを返しにきたのだ。
5人で…。
かつてまつの指示の元でさんざん働いてくれた部門の奉仕者。
仕事の師匠あり、弟弟子あり、監督仲間あり、バイク仲間あり、仕事でも助けてもらったりもした、まつの人生を語る上で欠かせない人たち。
特にロマンスグレーの我が師匠には、ほんとうにいろいろなことを教えていただいた。
お坊ちゃまであるが故、いい仕事をたくさん経験させていただいたし、社会のことも裏から表まで…経験を交えて。
弟弟子はホントにできたやつ。腕は確かで、いつも組んで仕事をしていた。
兄弟子ペアに嫌がらせをされながら。
彼もやっと落ち着く相手を見つけたという。ほんとにうれしかった…。
おやじに呼ばれて玄関に出て行くと、その面々が…。
久しぶりに見るその顔は、あいかわらず。しかしすっかりしっかりした顔になって男の魅力を増している。
久々のまつの顔を見て彼らもそう思ってくれただろうか…?
短髪にひげづらのまつをみてみんなが盛り上がる。
「あ、出家したから…」というまつのブラックジョークにみんなのテンションも強制的に上がってくる。
どんなに黒い野望が渦巻く組織であろうが、仲間を想い、自らの仕事を置いて駆けつける純粋な気持ちは確かにここにある。少なくても5個はここに。
まつはもともと建設奉仕者のかもし出すあの独特の、上から目線の強気のアウトローな雰囲気が嫌いだった。
RBCが始まる前の建設奉仕者は違っていた。「20万人も超えるとやっぱり落ちるよな」なんて言い出していたころだ。
あれから、その世界にも足を踏み入れなければならなくなり、人から見たらどっぷりとつかっていたかもしれないけど、それも奴らにナメられないため、円滑に現場を回すためにだ。
彼らにそれは必要なかった。素の自分でいられる貴重な人たちだったから。
そんな彼らとももう会う機会もそうそうなくなると思うと、残念な気持ちになる。
だけどそのためにあの世界に身をおいて、家族と自分に無理を強いることはもうできない…。
メリットに対するデメリットが大きすぎる…。
なんともやりきれない気持ちになって、あっけらかんと輝くお月様をみあげた。