福岡出張の帰りに下関に寄った。下関はおそらく20年ぶりぐらいではなかろうか。あの上場で社員に億万長者が続出したメーカーの用事で下関を訪ねたとき以来だ。あの時は会社に直行で街は素通りだった。今回は違う。下関の街は二つの文学作品の舞台として是非とも訪ねたいと思っていた。一つは共喰いで芥川賞を受賞した田中慎弥の舞台であること、そしてもう一つは松田美智子の『越境者 松田優作』に描かれているディープな下関の裏町を見たかったのである。松田優作が生まれ育ったという今浦町は日本の街とは到底思えない色彩があった。シャッター通りになっていたのは残念である。
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