マイケル・スコセッシ監督はアメリカで最も敬愛する監督であるが、自伝的な初期作品のミーン・ストリートが一番好きだ。映画の舞台はニューヨークのリトル・イタリーである。イタリア移民にとって最大の行事であるサン・ジェナーロ祭から映画は幕を空ける。祭りでは日本と同様、道端を屋台が埋め尽くす。リトルイタリーのメーンストリートであるマルベリーストリートは人々で溢れかえる。余談だが、今は、Googlemapのストリートビューでマルベリーストリートの様子も見れてしまうのが面白い。主人公はイタリア人街の地回りのチャーリー。チャーリーの叔父はイタリア人街の顔役であるがチャーリーはまだチンピラで叔父のような迫力は出せず、鬱屈した日々を送っている。チャーリーはひょんなことから親友である破滅型のジョニーをかばったばかりに仲間の抗争に巻き込まれ悲惨な結末が待っていた。チャーリー役はバーヴエイ・カイテル。そしてジョニーを若き日のロバート・デニーロが演じた。破滅型で危ない男を演じさせたら右に出る者がないデニーロの神髄が出た作品でもあった。