改革に抵抗する抵抗勢力は福田内閣の発足で息を吹き返したと考えてよいだろう。では彼らはどうしたいのか。
最終的には田中角栄や昔の革新官僚が作り上げた官僚統制経済とそれに乗っかる地方へのばら撒きシステムの維持というのが目的なのか。そもそもそれを維持して将来のビジョンはあるのか。確かに地方は楽になるかもしれない。でもそれだって一部の人だし、その楽にする為に国家財政を逼迫させる必要が本当にあるのかという答えは出ないだろう。
こうした抵抗勢力の人達の根底にある「日本は製造業を中心としたものづくり大国」だから「地方にも製造業を分散して配置して富の再配分」を行い、「抜本的改革は選挙に勝てないから問題は先送り」すれば少なくとも自分の目の前から根本的な問題がなくなるように見えるという発想が私は間違っていると考えている。
製造業は分散しても効率が悪くなるだけだし、そもそも日本の貿易収支も産業構造も製造業を中心としていない。また経済学の研究では地方への補助金交付で地方の経済が活性化することはないという結果もある。それに少子高齢化で人口減少社会に突入するのに、今までのやり方が通用すると考えていることが何より馬鹿である証拠だ。
それ以上にアホなのは左翼だろう。要するにジレンマに陥っているようにも見える。
そもそも、彼らの思想はマルクス主義だと理解しているが、マルクスやレーニンは非武装中立とか、絶対平和主義なんて唱えていない。むしろ革命戦争を唱えているのだから、平和主義はどちらかと言うと党勢拡大の為のプロパガンダに過ぎなかったはずだ。そのプロパガンダに吸い寄せられた連中は、憲法9条を守ればいいというわけのわからない革新グループに堕している。世界に貢献しないと日本は生きていくことが難しいのに、日本だけは平和を守ればよいという甘ったれた発想でしかない。先日も名古屋の愚かな裁判長がイラク派遣を憲法違反といったそうだ。判決文を見ていないが恐らくまた主文ではなく傍論ではないかと。
そして雇用格差の問題。彼らはこの問題を解決する理論を持ち合わせていない。
いや、非正規雇用を正規雇用にするか、同一労働をしている人に同一賃金を支払うシステムを作ればよい、と言うかもしれないが、そんなものは現実的に解決にはならない。解決するためには左翼勢力を支えている労働組合を敵にしていかなければならない。正社員の過剰な保護を撤廃し、正社員の待遇を下げるしか方法がないのである。
大企業は余裕があるはずだから待遇を下げるな、という主張もするだろうが、それはより格差を広げることにならないか。日本の雇用の多くは中小企業。大企業で待遇をあげてもそれが必ず中小企業に波及するという保障はない。ましてや利益を上げている企業の多くは日本ではなく、海外事業で上げた利益。それを日本の雇用に使うのは経営判断として適切なのか。それに対して論理的な反論をついぞ聞いたことがない。
左翼と今の抵抗勢力は、日本人を甘えさせてきた。国家観、外交、軍事、将来的な国家経営という問題からめをそらし、手近な福祉や公共工事という問題だけを考えるように選挙してきた。日本の凋落の責任は現政権与党にも十分責任があるのだが、政権外にいる野党にも大きな責任があることを彼らは絶対自覚しないだろう。