「過去(後編)」 -私信 白でこマスター-
「フェイント告白」を実行する前のシナリオ仕込みを
完璧にこなした白でこ。
Nちゃんも、何の疑いもなく
白でこ以外の男の
恋愛相談と思いこんでいるはずだ。
身だしなみもファイアーオールバックを決め、
腹の冷え対策もパーフェクト!
まさに、準備万端状態である。
この頃から芽生え始めた・・・
(準備完璧なのに)
(選択肢自体を間違えたため)
=本番すべる
の「白でこ恋愛方程式」のことなど知るよしもなく、
本人自体は「成功するかも」の期待に胸躍らせ
ついに
告白決行の喫茶店に到着したのであった!
今編にて完全完結の伝説の告白現場を
さぁ!見ちくりやっ!
☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆
この、喫茶店が・・・・俺の人生を変える
メモリアルな場所になるかもしれない・・・
そう思うと、この目の前に置かれた「おしぼり」にさえ
愛おしさを感じずにはいられない。
フッと気持ち悪く微笑む白でこ。
その後、矢沢風に唇をとがらせ、
リズミカルに袋からおしぼりを出して
手櫛でオールバックを仕上げるように
心地よい緊張感に汗ばんだおでこを
拭きあげた。
(でこ拭くんかいっ!)
彼の気合いが入る時の、
「でこ関連の動作」のひとつである。
今、化粧室にいるNちゃん。
家まで迎えに行って、助手席に乗り込んできた時
「こんばんわ」という笑顔にまずやられ、
サイドミラーに映った自分の前髪を少し気にする仕草に
大好きのマグマが爆発しそうになった!
や、やばい。
こんなかわいい子が、俺の彼女になるわけがない・・・
そんな弱気な心が一瞬よぎったが
今日はやるんだ!という気合いの方が勝っていた。
「ごめん、待たせて・・・」
化粧室から戻ってきたNちゃん。
車中で見たときより、可愛さが増している!
きっと、俺の正面に座るため
メイクの微調整をしてきたに違いないっ。
そんな細やかな部分まで見れている
集中力が高まっている自分に満足と、
「うんこ?」
などとデリカシーのない事を平気で聞く
Jetとの差に優越感を感じる白でこ。
「今日、俺はベスト以上のコンディションだ!」
メニューを見ながら、得意の舌なめずりしている。
「で、誰なん?告白したい人って」
はうっ!
よ、予定では
頼んだ飲み物が到着してしばらく
してから切り出すはずの「本題」なのに、
Nちゃんからの着席同時の問いかけに
狼狽する白でこ。
「そ、そそそそそそその件は
もももう少しあっ!」
動揺して急に口を開けたので、
治りかけの唇の裂傷がまた裂けてしまった。
口を押さえながら
「もう少し・・・後で」というのが精一杯だった。
ホットとミルクティーを注文してから
今度は白でこが化粧室に立った。
唇の裂傷の裂け具合確認と
想定外シナリオの修正を試みるための
避難と言うべき行動であるが・・・
腹が弱いことで当時から有名だったので
Nちゃんには、確実に「腹痛=うんこ」として
思われてしまったに違いない。
そう思い、焦りの色を隠せない白でこ。
愛の告白直前のうんこなど聞いたことがない・・・
今のままではそう思われる・・・
どうする?
それとも焦ったまま、席に戻るか?
化粧室の鏡の前で状況判断に押しつぶされそうな
青ざめた顔が
唇から血をたらしてこちらを見ている。
ちなみに・・・
デート中などの、
絶対相手に排便を悟られてはいけない時には、
訓練の末編み出した
神業ズボンパンツ同時おろしから
神業便出し、神業ペーパー巻き取り、神業完璧拭き
そして神業パンツ・ズボン・チャック同時上げで
「合計排便時間約3分」という、
常人の小便時間と同じタイムで排便作業の全てを行うことのできる
白でこであるが、
しかしである!
今回は、背に腹は変えれない。
うんこと違うのだが・・・
そして時間がかかってうんこと思われても・・・
とにかく、気持ちを落ち着かせるしかない。
・・・・・・・・・・
洗面台の上に両手をついて、
自分の気持ちが盛り上がってくるのを待った・・・
よし・・・うんこと思われていようが逆襲だ!
こちらも着席同時攻撃!
いきなり恋愛相談切り出して
こちらのペースに持っていくしかない。
拳を握り、小さく気合いのガッツポーズをして
化粧室を後にした。
「誰と思う?」
すでにテーブルに到着していた
ミルクティーを啜っていたNちゃんに
着席同時切り返しを予定通り行う白でこ。
「あ、聞いて~。今、さっき間違えてレモンティ持って
来られてん。もぅ」
うぐっ・・・・
さらに上手をいくNちゃんの想定外天然返しに
意識を失いそうになる白でこ。
「あ、そうなの?」と言うのが精一杯だ。
予定通り、想定通りに進められない・・・
腋から気持ち悪い汗が流れ落ちる・・・
しかし、Nちゃんが
「え?それで誰なん・・・白でこくんに・・・そんな相談してる人・・・」
と言ってくれたおかげで
「フッ・・・それはすぐには言えんなぁ」と
軌道修正が行えた。
カウント9からであったが
ついに立ち上がり
ファイティングポーズを取る白でこ。
よし。ここから予定通りに話を持っていくぞ!
じらしや遠回しのヒントを交え
白でこ主導で告白までの道のりを
進むシナリオ通りにだ。
話を進めていくうちに
案の定、Nちゃんは・・・
「もう、誰なの?ヒントくらい言うてよ~」と
こちらの術中にはまり出した。
じらせ・・・
混乱させろ・・・
そして、俺以外の人物の想像を
たっぷりさせて、
そして、
俺の告白で斬るっ!
完全白でこペースとなった
告白本番。
いよいよ、最後の決めゼリフのところに
場面は差し掛かろうとしていた・・・
「もう~いい加減言ってよ~、誰?」
顔は笑っているが
怒り出す一歩手前のNちゃん。
もう、じらし溜めはできないポイントまで
きている!
「告白しても、いいんじゃない?」
苛立ちからか
そんなニュアンスもNちゃんから飛び出してきた。
ここだ!ここしかないっ!!
い、今こそ
その告白してもいいか相談しているのが
実は自分であることを告げる
「フェイント告白」の絶妙タイミングなのだ!
よ・・・よし
まずは、
昨日鏡の前で何十回と練習した
根津甚八風表情を作る白でこ。
※当時、よく似ていると言われていた。
何?何?
何か起きるの?
Nちゃんの表情がこわばる。
「その・・・
君に告白したいと相談してた男は・・・
ここだ!行け白でこ!
最高のタイミング、最高の表情で告げろ!
お前の愛を!
「その男は・・・」
「それは、俺やっ!」
決まった・・・
決まりすぎた・・・・
もう、このタイミングでしかなかった・・・
完璧だ・・・
さぁ、Nちゃん・・・
あとは君の、恥じらうような
うれしいような表情だけで・・・この作戦は
例えダメだったとしても俺は報われる・・・
頬を染めた。君の可愛い表情を・・・
俺に見せてくれ。
予想もしなかった相手から
予想もしないタイミングでいきなりの告白を受けたNちゃん・・・
いくら学園アイドルと言われていても
まだまだな恋愛に過敏な年頃のNちゃん・・・
白でこが用意した
この素敵とも言える
「サプライズ告白」に見せた
表情がこれだ・・・
当然、普通なら
「え~?そんな事言われても・・・
あぁビックリした!」と顔を紅潮させる
リアクションを想像する場面なのだが・・・
あの・・・メチャかわいいNちゃんが・・・
人類が昔、類人猿であったことが
はっきり測り知れるような表情で口を開け
きょとんとこちらを見ている・・・
あれ?
聞こえなかった?
よせばいいのに・・・
もう一度、表情を作り直し
「それは、俺や!」
と言い直す白でこ。
南極の皇帝ペンギンですら
キンタマが縮み上がるほどの
そら寒いリアクションを見せるNちゃん。
その表情が、全ての答えを白でこに告げていた・・・
「あれ・・・・?」
必死の思いで
まだ、根津風表情を
作り続ける白でこ・・・
しかし、彼の心の表情は違っていた。
その時の彼の心の中の表情がこれだ・・・
フェイント告白大失敗!
白でこ完全撃沈!
結局、いい友達関係は損なわれなかったものの
想像以上にダメージをおう形でフラれた白でこ・・・
そして、彼の心の中にトラウマとして
植え付けられた「策士策におぼれる」のタネ・・・。
どんどん大きくなるボーリングフォームとは対照的に
女心を動かす場面では、トラウマが発動し
どんどん小さくまとまってしまって・・・すべっていた。
そして、自虐ギャクマシーンへの道へ行ったきり
地元の人間は戻ってきた姿を誰も見ていない・・・
今現在、彼ががどうしているかは知らないが・・・
神様・・・
女性ファンもいるということですし・・・
心配しなくて大丈夫ですよね・・・
教えてください・・・神様・・・・・・・・
もう、あの頃のトラウマから解放され
白でこは・・・・ジゴロで
ワイルドで・・・・モテる
完全な男になれてますよね・・・
結局このパターンかいっ!
ということで、 神様からのダメだしございましたので・・・・
ち~ん・・・ご愁傷様。
まだまだ修行が足らんとよ。
とりあえず、頑張れ白でこ!
本当に女子達にモテる日まで!
俺はいつも応援しているぞ!!
(完)




