「私信・・・Mr.T」

まだ、君は気付いてはいなかったんだね・・・

いや・・・正確に言うと

遠い・・・遠い記憶・・・

そう・・・君の大学時代に埋め込まれた

君自身の「トラウマ」に触れられたくはなかったんだね・・・

だから、深く刻まれた傷口を

カモフラージュするかのごとく、

人様のそれに執着してしまう。

上辺の陽気さ・・・そいつがくせ者・・・

矢沢の絞り出すような切なさは

君に向けられていたのだね・・・Mr.T

そう・・・君のトラウマは・・・・

君のトゥオラゥムゥアはあああああ!


















「寝起き顔」

↑の写真を見て欲しい・・・

現在の鮮やかなオールバックからは想像も出来ないほど

左前頭部にヘロレンと垂れ下がった前髪に

放屁脱力をしてしまいそうになるが・・・



そりは置いておいて・・・




君の20代前半は・・・


あまりにも無防備に

辺り構わず、のべつくまなく

寝起き顔を

さらけ出していた時代だったのだよ。

そして・・・


それに目をつけた人たちにより・・・


あの事件は起こされた・・・



そう・・・

疑うことを知らなかった君は、

当時流行っていた「スターどっきりマル秘報告」風に

2年連続「寝起きどっきり」

をお見舞いされ、

所属していた大学サークルのパーティで

ビデオ撮影された


その寝起き顔を

巨大スクリーンに

映し出されてしまったんだ・・・


君の狼狽する様を

女子部員達は冷ややかに見ていたね・・・

そして・・・

小梅太夫か!と

ツッコミを入れたくなるほど「チキショー」を繰り返していた君。

かける言葉もなく、私は君を遠くから見ていた・・・

「トラウマの蕾が膨らみ始めた。」

そして・・・

「もう、俺は誰にも寝顔も寝起きを見せない!」

私たちの前でそう誓った君。

怒りに震える唇は、やはり切れていたね。

でも・・・

でも君は・・・・

誓ったすぐ後に・・・・・





















 「 熟酔なの~♪」

「○○~っ」と当時惚れていた女の名前を

繰り返しながら

その腕枕した一升瓶を

Fのコードを押さえる指でしっかり抱きしめている君。

もはや寝起き顔すら見せれぬ程の熟睡を激写されたしまった。





その数日後には、

この写真はサークルの機関誌に掲載されていたね・・・




窓辺で黄昏れながら

東京音頭を3番まで歌っていた君を今でも思い出すよ・・・



「わぁ~、きれい。トラウマ満開」





その後君は、寝込みを襲われる悪夢に

悩まされながら

しばらく大阪江坂あたりに旅に出て修行し


見た目は回復したかのようになった。


しかも・・・

自分を強く見せるため、白いおでこ全開で

オールバックするようになった・・・


見た目のニヒルさとは裏腹に

どんなにいぢられても、どんなにズッコケても

輝く瞳で周囲を楽しませる男として

君は蘇生した・・・



本当に遠い昔の話・・・

自虐ギャグの教祖は、こうして生まれたんだ・・













でも、まさか・・・


現在も寝起きを撮影されトラウマが存在し、



その何十年後かに・・・・






当時あれ程傷ついた君が・・・







現在の君の周囲におられる皆様に・・・














「寝起きどっきり」をしていたとは夢にも思わなかった・・・











自らのトラウマを隠すために・・・


寝起き顔コレクターになっていたとは、寝耳に水だった・・・









君にトラウマを植え付けた張本人として・・・


私は、君に代わって

君が寝起きもしくは寝顔

コレクションした人たちや青いモスラに心から謝罪し、





そして神にも許しを請うてみるよ・・・






ご迷惑をお掛けした皆様・・・


そして

神よ・・・・Mr.Tを許しまえ・・・・・






































































だめだ・・・手遅れだったよ。



私は・・・・これ以上・・・

君の力にはなれない・・・・・









もう、そのトラウマを抱いて

おやすみなさい・・・Mr.T


※デジカメを用意するから・・・