「魔法使い 木村多鶴子 12」
布団ちゃんとかぶってんのに・・・
足の先が冷たくなって今朝は寝てられませんでした。
ものすご冷え性やから、寒い季節は苦手です。
あ、こんにちわ。私、木村多鶴子いいます。 58歳。
大阪は門真在住。
人に言うたらあきまへんで。私・・・「魔法使い」なんです。
こないだから玄関に置いてあった
シャチハタのハンコが無いんです。
どこ行ったんやろ~。
おまけに朱肉の入れ物もどこ置いたかわからんさかい、
町内会の回覧板のハンコ押すとこに、赤のサインペンで
ハンコに似せて「木村」て書いてますんや。
あ、割とうまいこといきましたわ。
我ながら、なかなかええ明朝体書けましたで。
いや、今日はね、次男の「みつる」が帰ってきますねん。
あの子ね、
種(たね)の品種改良とかで有名な会社勤めてますんやけど、
インドネシアの方に、農業の開発みたいな仕事で、
1年ほど海外出張してましたんや。
いや、私はむずかしいことわかりしませんねんけど・・・、
大学で、いろいろ農業についての研究してましてん。
なんやトマトがぎょーさん木になるジャポニカか
ハイポニカかなんかわからんような農業やら、
いろんな野菜を掛け合わせた新しい野菜創ったりとか。
そやね、あの子が手がけたんいうたら・・・
チンゲン菜 とサラダ菜を掛け合わせた「チンゲナ」とか
スイカとマンゴスチンを掛け合わせた「スイカスチン」とか
ウメとコーヒー豆と落花生混ぜて「ウメコヒラッカッセイ」
とかある言うてましたわ。
そんでまぁ、チンゲナ研究してる時は、
私ら家族も毎日チンゲナ食べさせられましてんよぉ。
「ひじき」と和えた「チンゲナ」がおいしい言うて、
毎日、たっぷりのひじきとチンゲナ、チンゲナ、チンゲナ・・・
チゲ鍋とよく合うから言うて「チゲチンゲ鍋」毎晩とか・・・
そういう風に実験に成功した野菜や果物を、まず食し、
大丈夫なら、気候に適した場所で栽培して、
データを取って・・・市場に出せるか研究を重ねる。
それがみつるの仕事なんです。
そのみつるが、インドネシアのイリアンジャヤいう
とこから帰ってくるんです♪
おとうちゃんも、たかしも今夜は仕事早めに切り上げて
帰ってくる言うてましてん。
家族みんなでおいいしいもんでも食べに行こかて
言うてね。
そんでね今朝、私の携帯にメール来ましたんやけど、
「今、関空着いた」て。
せやけど、もう夕方やいうのにまだ帰ってきませんねや。
関空から門真まで、なんぼゆっくり帰ってきても3時間も
かからへんし。
携帯もつながらへんし、ちょっと心配してますねん。
ちょっとうんこ行きたいんやけど、連絡あったらかなんし
我慢しててねぇ。ほんま、みつるちゃんかなんわぁ。
ピンポーン・・・・・ピンポピンポン♪
あ♪みつるちゃんや!
もう、ヤキモキさせて、やっと帰ってきたやん、
あっぽちゃん。
おかあちゃん、心配したでぇぇぇぇぇ!
玄関まで高速スキップで走り進む多鶴子。
ドアノブを思いっきり握りしめて、爆発的な
喜びを込めて思いっきりドアを開けたっ!
「おかえりぃっ!みつるちゃあんっ!」
「・・・・・・・・・・・・・・」
きゃぁあああああああああああああああああっ!
ち、ちんこが1メートルくらいある、は、裸の男が
3人も立ってる・・・あれも立ってるぅっ!!
みつると思ったら、ちんこが異常に長い、裸の男が
3人、玄関の前に立っていた!
果たして、多鶴子はこのまま襲われてしまうのか!?
そしてみつるはどうしてしまったのか?
白目向き驚愕の表情の多鶴子。
緊迫の事態のまま、次回へ続く!