「魔法使い 木村多鶴子 6」
このところ朝と夜は過ごしやすなったね~。
木村多鶴子 58歳。 大阪は門真在住。
私、おばさんやけど「魔法使い」ですねん。
今日は朝から忙しいのよ~♪
今、自転車でコーナンまで行ってきた帰りなんです。
いや、お庭のね、朝顔さんが、
巻き付く「棒」が無くてねぇ。
蔓が情けなーく垂れ下がってたんで
「蔓が巻き付く棒」を買ってきましてん。
ついでに、ティッシュ安売りしてたさかい、
2パック買ったんで、荷物乗せるとこ
あらしませんやろ、私の自転車。
しゃあないから、
両手にティッシュと朝顔の棒持って、
自転車よろよろ運転してますんや。
さっき、
歩いてはった全然知らんおじいさんのおケツを、
朝顔の棒で突きかけて、
よけた拍子にこけるか思いました。
ははは~、あー危なかった。
て言うても、もう家に着きますねんけどね・・・
いや!
家のすぐ近くなんですけど、
できたばっかりのライオンズマンションの前に、
もう引越しのサカイの車が停まってますやん!
すごいねぇ、何千万するとこ、ポーンとすぐ買えて。
あ、あの女の人かな、買って、越して来はった人。
・・・いや~、私と歳あんまり変わらへんのに、
また若いカッコしてぇ。
ブランド丸出しっちゅうか・・・
ごっついサングラス・・・
化粧濃おぉぉぉぉ~・・・
顔の色と首の色、まる違いやっちゅうねん。
金持ちが服着て歩いてますっ!
て感じのちょっと嫌味なタイプやねぇ。
でっかい指輪して・・・
凶器かっ・・・
係わりたないタイプゆーやつやわ。
って、おっとと、引越しのサカイのおっちゃん、
ちゃんと前見て荷物運んでぇなぁ・・・
じ、自転車ふらつくやん・・・・
あ、・・・あかん・・・ちょっと・・・
ちょっと、すんません、
そ・・そこのいてもらえま・・・
いや~あ、どうしよう!
後ろ向いてはるし、
気づかはらへんんんんっ!
ああああ・・・・
避けよう思ったら思うほど、
言うてた、オカネモチの女の人の
おケツに・・・・・あ、朝顔の棒がぁ!
・・・プス
び、びくんっ!
「ひっ!」
尻に朝顔の棒がサクッと刺さったまま、
エビゾリ状態になって、しばらく固まる女。
・・・・・・
キャアアアアッ!
「ちょっと、いきなり人のヒップに何をするの!失礼ね!」
「すんません、すんません!
ちょっと自転車がよろけましてぇ。」
この人、標準語や・・・
「すんません、すんませんじゃないわよ。
何よ!なんで関西人って言葉を繰り返すわけっ!
ちょっと!いつまでその下品な棒を
私のヒップに突き刺してるわけ!早く抜きなさいよ!」
「いや・・・あの・・・
どないなってのか・・・
えらいうまく刺さってもうて・・・
自転車乗ったままやったら抜けませんし、
ちょっと待ってくださいね」
「ちょっと!私はセレブのイメージで
通してるのに!
こんな変なかっこ恥じゃない!
早く抜きなさいよ」
「へ?セレブ?
あ、こないだ吉岡さんとこの
おじいちゃん亡くなりはった時
お葬式しはったホールなんで知ってはるんですか?」
「・・・そ、それはセレマでしょうが!
セぇレぇブ!って言ったの私は!
えぇーい!もう待ってらんないわ」
バカヤロ! ヨシナサイッツテ! コマネチ! (呪文)
美しい私の身体に纏わり付く、汚れたものを取り払え!
ボン!
途端、朝顔の棒が消えた!
!
ど・・・・どえらいもん見てもた!
魔法使いや!この人!
えらいこっちゃ!えらいこっちゃ!
どないしょ、どないしょ!
近所に、感じ悪い魔法使いが引越してきたみたい!
木村多鶴子 58歳。 大阪の門真在住。
ど、どうなるのかこの続きはまた今度。
緊張したまま・・・ちょっと待っててね。