自動ドアじゃない扉の前で、自動ドアと思いこんで待っておりまして
後ろから来た人に「自動じゃないですよ~」と追い抜かれて先に店内に
入られたJetboyです。

・・・なに?この中途半端な恥ずかしさは?

 

「犬」

 

動物、基本的に好きです。

テレビの、あの奇想天外ってやつとか結構興味津々と見てたりします。


でもって「犬」なんか特に好きだったりして、自分ちでは飼ってないけど
友達の家の犬なんか、もうムツゴロー状態で遊んだりします。

 

でもね、あの新年早々出会った「白犬」だけは、いまだに私の中で
忘れられないほど、相性の悪い犬でした・・・

 

 

大学時代。


新年早々、後輩の京大生Kとオールナイトの映画を見に行く約束をした私。


深夜に、迎えに来てくれると約束をした家の近くの道路沿いでKの車を
待ってました。

 

家々の明かりはついているけれど、車はほとんど走ってないお正月の夜。


寒い~、はよ迎えに来い~とガタガタ震えながら待ってました。

 

まだかよ~とKの車の来る方向を見ていると・・・


「!」


約50メートル先の路地からひょこっ!とでかい白犬が出てきたのです。


こっち側にはまだ向いていませんが、

路地から出て遠くを見つめています。

 

「うわ・・・でかっ・・・しかも首輪してないしぃ・・・野良犬じゃん」

 

かなり、きょわい雰囲気かもしだしてる「でか白犬」・・・

 

深夜・・・

誰もいない道路・・・車も通らない→→→気づかれるのは時間の問題。

 

私は焦りました。

物音たてるとたぶん気づかれて、

追いかけられたりしたらかないません。


でも、固まったままでもいずれ気づかれて、

こっちに来られたら、

あんなでかい犬は対処に困ります。

 

絶対人慣れしてない感じなんです。

 

うううう・・・額に汗がにじみ出てきました。やばい・・・


しばらく、じっとしてたのですが、

犬は来た路地に戻る雰囲気はありません。


し、しかも・・・こっちを急に見たのです!

キラーン!鋭く光る白犬の目!!


す、すぐに目をそらし、私は直立不動に。

滝のように流れる汗・・・


念のため顔は前を向いて、目だけ白犬を見てみました・・・

ああああああ・・・見てる・・・しっぽたれたまま見てるよぉ!

どうしよう・・ど、どうしよう・・K何してんだよ!


げっ!1歩・・・2歩・・・トトトトトってこっち小走りで近寄って来てるじゃん!

パニック!!

 

もうダメだ!こうなったら先手必勝じゃ!


追い込まれた私は、何でそう思ったかは今もわからないのですが
「あう、あう、あ゛う、あ゛う、あうっー!」と犬の鳴き声を大声で真似しながら
白犬に向かって突進して行ったのです。

 

まだ、臨戦態勢でなかっ白た犬は、大声で迫ってくる私に
エビぞるくらい驚き、「ケヒンッ」と泣きの一声を出して、こっちを振り返りながら

道路前方の闇の中へ猛スピードで逃げ消えて行きました。

 

・・・勝った!肩で息をしながら、緊急事態から逃れられたと安堵する私。


ふ~びびらせやがって!と安心して、

念のため犬の消えた先に目をやりました。

 

し~ん・・・静寂と闇・・・・キラッ!・・・ん?今なんか2つ光った?


・・・え、光ってるわ・・・間違いなく2つ光がこっちに近づいてる・・・


って光ってるのさっきの白犬の瞳じゃん!向かってきてるじゃん!

 

「ごるぁぁぁぁぁぁあああああぁぁぁぁああああ」


先制攻撃をされ、怒り心頭の白犬が、恐るべきスピードでこっちに
走ってきてるのです。

 

眉間にシワ寄ってます!わっ、唇めくれあがってとがった犬歯見えてます!
「あぅっ、がうっ」と小さく吠えながら、低い姿勢で
私めがけて突進してきてるのです。

 

「おわっ!に、逃げろ!」


私は反射的に、横にあったバス停のベンチを利用して人の家の塀に登りました。


白犬は、助走をつける形で大ジャーンプ!噛んでやるっというジャンプでしたが
でも間一髪で塀上に逃れれました。

 

「あうっ!がううっ!」何度も下からジャンプして私を噛もうとする白犬。


よっぽど私に腹たてたんでしょう!

「カチッカチ!」噛もうとする歯と歯の当たる音が
本気モードの音でした。


私も噛まれないように、よけて、落ちないように塀上からしょぼいキック反撃
をしてましたが所詮腰がひけたキック。全く当たらず仕舞。

 

そうこうしてるうちにKの車が到着しました。

 

 

「何してるんですか?」

 

 

唖然としながら、車内から窓開けて尋ねるK。

 

「アホ!見てわからんのか!犬に襲われてるんや・・はよ助けんか!」

 

ようやく事態の緊迫感が伝わったのか血相変えるK。

 

「Jetさん!し、尻臭がせてやってください!降伏しますってことになるんです」

 

「尻?・・・ってアホか!この状態でどうやって尻においでもらうねん!」

 

お互い焦ってるから、もう意味不明のやり取り。

し、しかし、さすが京大生!この場に及んで解決策を提案してきました。

でも尻を臭がせるのは無理だろ、尻は!

 

最初はおろおろしてたのですが

そのうち、Kは車からでかい懐中電灯取り出して、犬を照らしたのです。

効果てきめん。白犬は、嫌そうな素振りをしながらいったん私の近くから
離れました。

 

「いまや!」とばかりに塀から飛び降り、Kの車の窓から車に乗り込む私。
その時、「履き物」のひとつを落としました。


かまわんから行けっとKに指示!どうせ拾いになんて行けないし。
実家に戻って靴履き替えれば済むし!

車、急発進!

ルームミラーに小さくなっていく白犬。

 

やった逃げれた・・・

 

白犬から逃れ、車内ではぁはぁ息切らして顔を見合わせた私とK。

 

しばらくの沈黙があった後、2人とも同じことを考えてた。

 

「白犬シンデレラ事件」

 

あぁ・・・いつかあの履き物をくわえて、あの白犬が私の家に来る・・・
「この履き物にぴったりの人間探しとるんやけどなぁ・・・」


・・・来たらどうしよ!?