ちょっと懐かしい「変」な人のこと思い出しました。
今回は、ノスタルジックなアプローチでお届け致します。
「福田くん」
あれはたしか・・・私が小学校3年生の時でした。
同じクラスに「福田」という男の子がいました。
彼は、3年生にもかかわらず、すでに老化が始まっているのでは
ないかと疑うくらい「おっさん顔」で、しかもギャグのセンスが
かなりあったので、相乗効果からかクラスでかなりの人気者でした。
かくゆう私も、面白さではクラスの皆が一目おく存在でしたので
2年生からのクラス替えの後、初めて同じクラスになった彼とは
すぐに意気投合し、非常に仲良くなりました。
私たちは互いを意識しあい、お互い切磋琢磨し、日々ギャグの
センスを高めてゆきました。
そして席替えがあったある日、彼と私は運命のように
席が隣になったのです。
ある日のこと、隣どうしになったことから、特に授業中に
お互い相手を笑わそうといろんな事を
仕掛けたり、仕掛けられたりしていたのですが
今日も何かして「福田くん」を笑わせてやろうと目論んでいた私。
そんな時、タイムリーに給食のデザートに「桃」が出てきたのです。
「給食の桃」・・・それは、自然ではあり得ない黄色い色をした
ハーフカット、つまり半円状の、あの缶詰の桃です。
私は、給食中からその桃をずっと口の中にしのばせ、
5時間目の授業中に、口から黄色い桃の半球部分を「ま゛ぁあ~」と
見せて 彼を笑わせることを思いつきました。
これは絶対いける!小学生の私は、確信を得て、給食終了から
わくわくしながら教室の外に身を隠し、
桃を頬張りながら、5時間目を待ちました。
そして5時間目の始業のチャイム後、ばれないように
うつむき加減で着席しました。
何も知らず福田くんが席についていたので、笑いかけて
彼の後頭部めがけてぶぶっぷっと桃を出しそうになりましたが
なんとか耐えて、彼の方を見ないように過ごしました。
桃が半個入っているので唾液が口いっぱいになるのも
なんとかやり過ごし、
いわゆる「しこみ」時間を、ばれないよう自然に、自然に
していました。
そして授業開始から10分後、先生が黒板に書くことに
一生懸命になっているため、数分、生徒側に背を向けている
時間が訪れました。
「ここだ!」機は熟したとばかりに、私は桃を歯茎と唇の間ににセットし、
今にも口からこぼれ落ちそうなくらいに桃の半円部分を
「ま゛ぁぁぁぁ」と出しながら福田君の方を向いたのです。
やった今日はインパクトで俺の勝ちだろうと確信しつつ、ゆっくりと
桃を見せながら、福田君の方に首を回した私・・・
次の瞬間、私は衝撃のシーンを目の当たりにしたのです!
そこには、私と同じように「桃」を口から「ま゛ぁぁぁぁ~」と
まろび出している福田君がこちらを向いていたのです。
予想もしていないWピーチな事態に、お互い一瞬目を見開き驚きました!
福田君も私も、相手の桃には全く気づかず、
桃を口に仕込んでいたのです!
次の瞬間、私は衝撃というか笑撃で、口にセットした桃を
福田君に向けて勢いぷぶぷとよく発射!
福田君も私の桃が発射されたのと同時に桃をぶぷっと発射!
私は、CM以外で、あんなにきれいに空中でクロスする桃を
見たことがありませんでした。
そして、口から桃唾液の糸をたらしながら互いに爆笑しました!
その5分後、げんこつをくらって、二人揃って廊下に立たされたの
は言うまでもありません。
福田君は、3年の夏転校してしまい、それから一度も会うことは
ありませんでした。
どうしているのかな、福田君。
君も、きっと「変」なひとになっているんだよね。
桃を見るたび、君を思ひ出しま酢。