サタニック・レコード - 或るTS男の記録

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完パスって

パス率が未だ上がってない状態でこんなことを考えるのもなんですが、完パスの基準ってどうなんでしょう。というか、人が性別を判断する基準ってどこにあるんでしょうか?まずは自分がどこで判断してるかを考えてみます。

■見た目だけ
・胸のあるなし
・服装
・筋肉or脂肪の付き方
・肌の色(色黒か色白か)
・身長
・髪型+顔立ち
・骨格?
■↑にプラスして
・声

多分これらの要素を混ぜて総合的に判断してると思われます。混ぜて、というのは髪型や顔立ちなどは結構男女曖昧な部分も多いので、その場合他の要素をふまえて判断しているということです。あと、例えばスポーツやってる女性なんかは髪型も体つきも肌の色もばっちり男って感じのする人が経験上多いんですけど、そんな人を女性だと判断するのは(個人的には)服装からだったりします。骨格に?がついてるのは、俺があまり詳しくないからです。きっと漠然とは捉えてると思うんですが、無意識の範疇というか「なんとなく」判断しているところだと思います。

というわけで、個人的にはこれらの要素を3つ4つ満たしていれば男女判断出来ると思うんです。迷いはするかもしれないけど、一応。しかしこれが一般的な見方かは判らないんですよね。俺が他人を大雑把に見すぎなのかもしれないし(笑)。骨格までハッキリ見てる人、ってトランスの人には多そうですけど、そうでない人にも居るんでしょうか?そこを完パスの基準にされたら、大抵の人は整形でもしないとお手上げだと思うのですが…。

あるなし

あまりこういう表現をしている人を見たことがないんですが、やっぱりFTMでもMTFでも「体にある筈のものが無い」より「体に無い筈のものがある」方が気になるというか、厳しいんだよなあと思いました。

「ある筈のものが無い」ことも、もちろんつらいことはつらいです。でも、まだ目を背けやすいことなんですよね。体に「ある」ことからはどうしても逃げられない。身体感覚としてずっと付きまとうものだから、こんなにうんざりするんでしょう。

こんなことはTSの人にとっては当然のことかもしれないけれど、俺は常に自分を説明できるようになっていたいので言語化してみました。

TGの人はここまで身体感覚に囚われてないかな。TGとTSの中間に居る人も居ると思うので、一概には言えませんが…病気などの事情はないが手術を望まない人というのは、社会的に自分の性で扱われればそれでいいという事なのかなと思います。なんとなく不思議というか、気持ちが想像しにくいのだけど、これはTSじゃない人がTSの感覚を理解できないのと同じことなんでしょうね。

入りづらい場所

あれは小学校の高学年に差し掛かる頃でしょうか。第二次性徴があって、それ自体も嫌だったのですが、そこは持ち前の現実逃避力と要領の良さで存在を必死に無視していました。服着たら殆どわからないし。しかし、それに伴い入りづらすぎる場所が出来てしまったのです。

下 着 売 り 場 。

自分の下着をそういうところで見繕ったり買ったりした覚えはないんですよ。多分母親の買い物の付き添いとかだったと思うんですけど。そこでふと気付いたわけです。「俺こんなとこに居てもいいのか?」と。「どこ見てたらいいんだ」「というか俺こんなところに居たら変態じゃ?」そんなわけで通りがかるたびに未だに目が泳ぎます。

とはいえ別に女性の下着自体に嫌悪感があるわけじゃないんですよねー。女性の下着姿とか逆にイヤッホウって感じですからね。ただ、多分売り場ということで、自分に向かってくるのも気持ち悪かったんだろうし自分のアイデンティティ的には「ここに意味もなく居てはいけない=だって下着フェチのおっさんみたいだ」という感じだったので嫌だったんじゃないかと思います(笑)。

ホルモン投与での変化

男性ホルモンを投与したらどんな変化が現れるのかを調べてみました。

・声変わり

・皮脂分泌の増加→ニキビとか増えます。

・頭髪の脱毛

・精神状況の変化→鬱のようなものではなく多幸症や仕事のやる気が出るといったもの。物忘れが激しくなるということも?

・体格の男性化・筋肉増量

・肝臓を痛める→肝機能検査値に異常が出たりするみたいです。

・体内貯留の増加→塩分や水分が増えます。高血圧にもなりやすくなるようです。

・血中コレステロール値の増加→中性脂肪も増えるそうです。

・体毛増加

・性欲亢進

あともう少しありますが省略します。こうやって書き出すとやっぱり早くホルモン治療までいかないかなあとか思いますね…デメリットも沢山あるのになあ。

遂に行ってみた

行きました。病院。まさか予約いらずとは思わず、紹介状も無いまま普通に受診してしまいました。待ち時間はかなりのものでしたが、いつも通ってる皮膚科でも時々同じくらい待つことがあるので特に困る程でもなく。むしろ他の病院なら予約することすら待たなきゃいけないわけで、ええーなんだここ、と衝撃を受けました(笑)。

まあね、理由は解ってるんですよ。ネットでかなり評判悪いところですから(…)。ホルモン療法などの段階には進めないし、時間かかるらしい。とはいえ、他を待っていても結局同じくらいかかりそうに思ったので決行したわけです。

そして感想。多分先生に見られたら特定されそうなんですけど、別に構わないというか先生ってネットやってる暇あるんだろうか、ということでガンガン書きます。良かったこと、は単に治療が始まったということしか無いです。初診なので特に何もしてないですし。で、以下は良くなかったというより何かちょっと引っかかったところを挙げます。

・聞かれるだろうと思ってたことが聞かれなかった
 →肩すかし。近所の専門医じゃないお医者さんにさえ聞かれたような、自分には基本事項のように思えることが聞かれませんでした。性別違和の内容とか聞くべきなのでは?自分から言わなくちゃだめだったのだろうか、と思っても後の祭りです。いつ聞くんだろうと思ってたらタイミング逃しました。

・心理テストを重要視してそう
 →わからないけど、あんまり「お約束だからやるんですよ」という感じではなかった。次回大がかりにやるそうですが、俺ああいうのそんなに信用してないんです…占いレベルにしか捉えてない。ロールシャッハとか「特に何にも見えません」と言いたくなる気持ちを解ってやってください。

・他、ちょっと変な発言

例1)先生:「性同一性障害っていうのはアイデンティティの問題だから~略」

    俺:うんうん

   先生:「あなたは男を好きになれだとか、女を好きになれだとか人から言われても困りますよね」

    俺:そうですねー。 (…………え?あれ?)

何で性同一性障害=性自認の問題について話してる筈なのにこの人は性指向の話をしてるんだろう。気付くのが遅くて突っ込めず。

例2)先生:「これから治療して、戸籍訂正してーってなるとどうしても就職とか不利になりますからそこのところもよく考えていきましょう」

    俺:「はあ…」(いやそんなこと解って来てるだろう普通)

がっちり悩んでから来てるんだからその辺はね、ほんと。リスクを考えて「自分は違うって。百歩譲ってもTGだって」とか思ってたのに結局病院まで来たわけで。というか戸籍訂正までしてるなら埋没できるんでは?と思いつつも今のパス度で言っても将来出来るようになるか判らないからダメなのか?とも思ってなんとなく口を濁してしまいました。突っ込めば良かった。

あと、そんなに悩みを聞いてくれそうな雰囲気は無いと思いました。これは自助グループみたいなのに行こうと思うので俺は構わないんですが、避ける人がいるのはこの辺りが理由なのかなとも思います。こんな場合もあるということで。

声パス

ガイドラインを熟読したり色んなサイトを見たりして調べていたんですが、ちょっとよくわからないところが。ホルモン治療を始める前に実生活経験を積む必要があるんだと思ってたんですけど、生活スタイルの準備程度でいいんでしょうか。つまり両親とか職場・学校でのカムアウトや調整とかだけでいいのかな、と。だったら両親にはもうカムアウトしてしまったんで、ひょっとして俺焦りすぎですかね…。

さて火曜日に病院行きが決まったんですが、電話で受診の仕方尋ねたら「病院の受付で直接聞け」って言われただけなんで予約が取れるかどうかは未だにわかりません(笑)。質問くらい電話で答えてくれたっていいのになあ。何か理由があるんだろうか、と思いつつとにかくこの調子じゃホル注なんかは当分先だろう(※1)と思われますんでノンホルでのパス率を上げよう!ということで。現段階で出来ることを考えてみました。まずは声の問題です。

俺の声は割と低い部類で、電話の第一声だと時々パス出来るくらいには低いんですが、録音して聞いてみたりするとやっぱり普段の喋り声はそこまで男っぽくないんです。なので女声・男声って音の高低だけで判断してるわけじゃないと思うんですよね。それよりも(こういう表現をするものか判りませんが)音の太い・細いで聞き分けてるんではないでしょうか。低ーい声でも「色っぽい声の姉さんだなー」と思うし、ボーイソプラノの人でも「声高いなー」と思うだけでそれぞれの性別は判断できてるわけです。外見を見てなくても。

多分俺の声は、太いとこと細いとこと混ざってるんではないかなあと思います。きっと太いところを安定して出せれば、ボーイソプラノ(或いはもうちょっと低い)ぐらいで通用するんじゃないかなあ。普段の声より低い声を出そうとすれば自然と太くなるし、高い声を出そうとすれば細くなりますよね。声を安定して出すというのが難しいんですが…。

声楽やってるわけでもなんでもないんで、単なる想像です。


※1:勝手に始めちゃってもいいんですけど、一応ガイドラインに沿っておこうと。

小学校高学年くらいから

時系列に沿ったことを書くのが意外と大変だということが解ったので、思いついたままに書きたいことを書いていこうと思います。

高学年くらいから俺「身体が女なんだから女の子になろう、ならねばやばい」という危機感みたいなものを持ってました。今から考えると、当時「俺は男だ」なんて自認はなかったくせに、明らかにそう思ってないと出ない発想だよなあとしみじみしてしまいます。というのも、「女の子らしくしてみよう」くらいだったらボーイッシュな女子にありがちだと思うんですが、俺の場合「女の子らしくとかは嫌すぎるから、男っぽい女の許容範囲内でなんとかしてみよう」という非常にせこいというか要領よく周りを誤魔化そうとする気持ちでいっぱいでした。

そんなわけで中学に入る時、制服が嫌で私立中に入ったくせに果敢にも「食わず嫌いみたいなものかもしれないし、新生活で俺のこと知ってる人居ない(※1)んだから試してみよう!」と入学式にスカートを着用して死んでみたり(笑)、「俺っていう一人称は冗談めかしてたら女子でも使っていいのか?」とか「化粧は肌弱いって言い張ればしなくても済むよな!」といった感じで女子の常識と許容範囲を探ってました。一人称は結局使えなかったですけどね、バレるのが怖くて。そして結局、中高と女子に囲まれて暮らしながらも、いまいち女子の常識(表面的なことはともかく、感覚的な面で)を理解することが出来ずに今にいたります。とはいえそういうところは男っぽい女の子とは話が合うんですけど、そういう子達相手でも更になんか言葉で表現しづらい深い部分で違和感がありました。あれはなんなんだろうなあ。

自分自身のことはそれなりに誤魔化せてたのですが、誤魔化しは誤魔化しにすぎなかったみたいです。大体小学校の時の記憶封じ込めすぎてたし。見て見ぬフリしてたから誤魔化せてたんでしょう。

※1:当時は周りの目が恥ずかしいからスカート履けないんだと思ってた、というか思い込もうとしてた。ここでのチャレンジによって結局周りとかでなく自分自身が嫌がってるんだと気付く(笑)。

6月24~27日

<やったこと>
・父にカムアウト→今のところ成功?

・ナベシャツ着用で外出→パス成功か判別不能

・初診の電話予約→失敗…開始30分でアウト

・別の病院への問い合わせ→病院に来てくださいと言われてしまった。来週の火曜に行きます

<これからやること>
・母にカムアウト→これからメール書く

父から大雑把には伝えられたみたいなんですが、とりあえずメールでカムアウト&対話してほしいアピール?を。話聞いてるはずなのにほっとかれてるので、自分からやるしかない。父に言った時は相手の部屋で直接対決したんですが、母には切り出しにくいです。

6月24日

深夜、父にカムアウトしました。
彼はこちらが思ってた以上に(少なくとも表面上は)リベラルでした。
結果としては、「今までの(親が俺を娘だと思っていたという)積み重ねによる違和感はあるが、治療や改名などといったことに対して反対する気はない。君の人生だから好きにしたらいい」でした。あと「心情的なことは理解できないが、手伝えることがあるなら手伝う」とか。むしろ進路の方が心配されてたので、トランスのことが問題になっていたならそこは自分で解決していったらいい、とのことです。ジェンダー観が俺とほぼ同じジェンダーフリーな感じだったので問題なかったんだろうなあと思います。

横から考える。

 能町さんのとこで色々とえらいことなってんなーと思い、横から考えてみます。コメント付けようかとも思ったんだけど、レス伸びすぎで収拾つかなさそうなのでこちらで。トラックバック出来ませんから本気で独り言です。

名無しさんが反論の煽りばっかりじゃなくて擁護の煽りもいるところが興味深いなと思いました。普通に読んでいれば、批判的な意見だから差別だ、と言ってるわけじゃないことくらい読み取れそうだと思いますが。いわゆる擁護の人の中にも困ったさんは居ますから。長文読めない人なのでしょうか。だいたい「ちんこ取らない内は」とか無茶苦茶なこと言ってるなあ。じゃあ誰にでも手術がさっさと出来るような体制を作ってみてくださいよ(笑)。生理的嫌悪なんて仕方ないし自由だけど、そんなこと口にしないのが大人なんだと思うんですけどね。女性は違うんですかね。そんなばかな。

ここから考察開始。生理的嫌悪と言ったって無知からくるものじゃないか、みたいなレスもありましたがそれってどうなのかなと。順を追って説明されたところで、心情的なことを完全に理解するなんてことは他人同士なんだから不可能でしょう。更に、「理解したくない」って人も居るわけですよね。「嫌なもんは嫌だい、お前は変態だい」と。そんな人に対してわざわざ「それでも理解しやがれ!」なんてこと思いませんよ。少なくとも俺は。意見交換や対話をする気がない人は仕方ないです。嫌がるのが自由である代わりに、嫌がられてもこちらは何も変わりませんよ、っていうことも自由なわけですから。

問題になるのは、そういった嫌悪感を精神的・肉体的な攻撃として発露する場合です。差別問題というのは心の中の段階ではなく(もちろん心の中にも無い方がベストですが誰の心にも存在しないなんてことはきっとありえません)、表沙汰になってからが「やっちゃいけないこと」だと思います。外国なんかじゃ殺人までいきますし、詳しくは書きませんが実は日本でも割とろくでもない事件が多いそうです。精神的な攻撃、というのは判断が難しいことで、当事者にもちょっと過剰反応じゃ?みたいな人も居ますから余計に難しいですけど。日常的に接する人などには、何も言わないようにするのがベターじゃないかなと。匿名掲示板なんかで愚痴るくらいはいいと思いますが、個人的には。

俺には、TSだっていう事情を知ってる純男の友達が何人か居るんですが、そいつらだって完璧に理解してくれてるわけじゃないです。でも「今失礼なこと言った、ごめん」って、こっちから反応しなくてもすぐ謝ってくれる奴も居ます。そんな時はこっちも結構申し訳ないわけですよ。気を使わせたくないんだけど、実際あんまり言われたくないことでもあるので。

何が言いたいかっていうと、当事者だってみんながみんな理解されたくてガツガツしてるわけではないんですよということ。そりゃあされないよりはされる方がいいけれど、変に気を使われすぎてぎこちなくなるのも切ないです。「理解してやってる」って態度もいけすかないですしね。わかんないなってことがあれば普通に聞いてくれると嬉しいなあと思います。聞いた上でやっぱり理解できなくても、それはそれで仕方ないんじゃないかなあ。その程度のことは、トランスだからとかマイノリティだからとか関係なくて、単なるコミュニケーションの問題じゃないかなと思うのです。