ソフィアウッズ・インスティテュートの公式ブログから共有させて戴きました。

「鳩は夕方になって彼の許に帰ってきた。

 すると見よ。
 むしり取ったばかりのオリーブの若葉がそのくちばしにあるではないか。
 それで、ノアは地から水が引いたのを知った。」

(創世記8:11)

オリーブ油は感謝を示す

 

紀元前からオリーブの実から搾った油(オリーブ油)を様々なことに使っていたことが聖書から分かります。

特に、神様にお供えする生贄(肉)が貧しくて手に入れられない人は、小麦粉にオリーブオイルを混ぜ、イーストを入れずに焼いたパンを代りにしても良いと、聖書内の様々な「記」に書かれています。

「最良の小麦粉で、イーストを入れない丸いパンと、
イーストを入れずオリーブオイルを混ぜ込んで焼いた厚いパンと、
イーストを入れずにオリーブオイルを塗って焼いた薄いパンを作ります。」

(出エジプト記29:2)

当時、お肉と同等の価値がオリーブ油にはあったということでしょうか。

また、感謝のためにお供えするパンにはオリーブオイルを使い、

罪を懺悔するためにお供えするパンにはオリーブオイルを使ってはいけない等も書かれています。(レビ記 5:11、7:12など)

オリーブオイルの機能については、既に、多くの文献が述べている通り、悪玉コレステロールの減少免疫細胞の活性化高血圧改善心疾患予防血糖値改善など様々な抗酸化作用があることが示されています。また、ビタミンEの含有量が多いことから、お肌の健康にとっても効果が示されています。

オリーブの「その葉は薬となる」

 

オリーブの葉っぱの機能について聖書には、

「川のほとり、その両岸には、あらゆる果樹が生長し、
その葉も枯れず、実も絶えることがなく、毎月、新しい実をつける。
その水が聖所から流れでているからである。
その実は食物となり、その葉は薬となる」

(エゼキエル書47:12)

と、書かれています。

実際、地中海地域では、オリーブの実や実から採れるオイルを食事に用いるだけでなく、聖書の時代から現代に至るまで、オリーブの葉を煎じてお茶にして飲む習慣があるようです。

健康茶としてだけでなく、オリーブの葉は粉末にして解熱剤や抗菌薬など民間薬として用いられています。古代ではマラリヤの治療薬としても用いられたそうです。

オリーブの葉に含まれているオレウロペイン

 

近年、オリーブの葉に含まれているオレウロペインと呼ばれるポリフェノール(抗酸化物質)に免疫細胞を活性化する機能があることが発見されてから、多くの研究がなされています。オレウロペインだけでなく、やはり殺菌・解熱作用がある

ヒドロキシチロソールというポリフェノールもオリーブの葉には含まれています

そのため、肺炎や結核、性病(淋病)など、バクテリアによる感染症だけでなく、 

インフルエンザ、B型肝炎や髄膜炎、性病(ヘルペス) など、

ウィルスによる病気の治癒にも効果があると期待されています。

ちなみに今回の新型コロナウィルスには、HIVの治療薬が効く可能性があると報告されていますが、 オレウロペインとヒドロキシチロソール が、

HIVウィルスの増殖を抑制させたという研究報告がありました。

オリーブの葉茶でコロナウィルスを殺せるとは思いませんが、

感染予防や重篤化予防にはなるのではないかと期待します。

また、こうした効果を利用して、手術後の感染症予防にオリーブ茶あるいはオリーブの葉の抽出液(エクストラクト)を用いることが臨床で検討されているようです。

がん予防効果への期待オリーブの葉に含まれているオレウロペインが、

悪性腫瘍を逆転させ、がん細胞の内因性分化プログラムを再活性化することで、

いくつかのがん細胞をアポトーシスに誘導することが観察されています。

しかし、その分化誘導特性プログラムのメカニズムはまだよくわかっていません。

研究者はオリーブの葉の抽出物ががん治療にとって有効であると期待しています。

特に、乳がんと大腸がんに関する研究が多く行われているようです。

オリーブの葉を食べることで、

これらのがんを予防できる可能性が期待できるとのことです。

神経障害の予防/改善

大脳領域の抗酸化プールの増強、脳神経細胞のミクログリア細胞と

星状細胞の不活性化による炎症誘発性サイトカインと

ケモカインの不必要な放出の減少など、オレウロペインの神経保護的役割について

いくつかのメカニズムが報告されています。

オリーブの葉の抽出物(オレウロペイン)の定期的な摂取は、

アルツハイマー病、パーキンソン病、脳卒中、うつ病、不安、

てんかんなどを含む神経障害のリスクの減少と相関しているとのことです。

生活習慣病予防と改善

心疾患脳梗塞高血圧糖尿病などの生活習慣病のリスクを低下させることが期待されています。具体的には、オレウロペインが生活習慣病など体内炎症を伴う疾患と関係の深い次の炎症誘発性物質を有意に減少させたことが報告されています。

  • 腫瘍壊死因子(TNF)-α
  • インターロイキン-6(IL-6)
  • インターロイキン-1β(IL-1β)
  • 一酸化窒素(NO)
  • プロスタグランジンE2(PGE2)
  • 活性酸素種( ROS)
  • 一方で、抗炎症性サイトカインのIL-10 を強化したことが同時に報告されています。

美肌効果・シミ予防

オレウロペインにはコラーゲンの生成を助ける働きもあります。加え、オレウロペインの抗酸化作用がシミの原因となるメラニンの生成を抑えてくれるそうです。