アメリカ環境医学会(AAEM)が遺伝子組み替え食品を警告DOCTORS WARN: AVOID GENETICALLY MODIFIED FOOD
ジェフリー・M・スミス
By Jeffrey M. Smith
(Mercola.com)2010年3月25日
アメリカ環境医学会(AAEM)は、GM(遺伝子組み換え)食品を排除した食事指導を患者に行うよう、あらゆる医師に呼びかけた。
[1] また、GMO(遺伝子組み換え生物)の中止、企業に依存しない長期的な検証の実施、食品表示を求め、次のように述べた。
いくつかの動物実験では、不妊性、免疫の問題、加齢の進行、インスリン調節、
主要臓器と胃腸系の変化など、GM食品に付随した深刻な健康リスクがあることが示されている。(略)GM食品と健康の悪化については偶然とはいえない関係がある。
つまり、因果関係がある。元AAEM会長のジェニファー・アームストロング博士
( Dr. Jennifer Armstrong)は、「患者を診ている医者ならば、
健康への影響は分かっているはずだ。だが、正当な疑問を提示する方法を知らないだけ」と言っている。有名な生物学者プシュパ・M・バーガバ( Pushpa M. Bhargava)も、アメリカの悲惨な健康の現状の主要因はGMOだと考えている。
妊婦と乳幼児が特に危険 GM食品は、
特に妊婦と子供たちに危険である。
GM大豆をエサとして与えられた母親ラットの子供は、
ほとんど死亡した。
それに対し、通常の大豆を与えられた比較対象のラットの死亡率は10%だった。
[2] GM大豆をエサにした子供ラットは身体が小さく、生殖力がない可能性がある。[3]GM大豆を食べたラットの睾丸は、正常なピンク色から暗い青色に変色した。
[4] また、オスの子供ネズミの精子が変化(去勢)した。
[5]GM大豆エサの母親の胎児は、DNAが変質していた。
[6]そして、GMトウモロコシを与えられたネズミは、子供の数が少なく、
生まれた子供の身体も小さかった。
[7]インドのハリヤナでは、GM綿の実を食べたバッファローの大半が、
生殖上の合併症(早産、流産、不妊など)を抱え、
生まれた子ウシの多くは死亡した。
米国では約20名の農民が、特定のGMトウモロコシを食べことが原因で、
何千頭ものブタが不妊症になったと訴えている。想像妊娠になったり、
羊膜を出産したケースもあった。乳牛も雄牛も、不妊症になった。
[8]米国では、低出生体重児、不妊症、乳児死亡が、いずれも増加している。
毒を生む食べ物
GMトウモロコシとGM綿には、土壌細菌バチルス・チューリンゲンシスから生成されるBt毒素という殺虫剤(農薬)を組み込まれている。
これらのGM植物を虫が噛むと、虫は胃が裂けて死ぬ。
バイオ企業は、有機栽培の農家も天然のBt細菌を噴霧して害虫を退治していることを根拠に、Bt毒素は安全だと主張している。だが、GM植物が生成するBt毒素は、
天然のBtスプレーの数千倍の濃度を持つ。強い毒性をもつように設計されて
[9]、アレルゲンの属性を持っている。洗っても植物から落ちない。
さらに、調査によると、天然のスプレーでさえも有害であることが確認されている。ワシントンとバンクーバーでマイマイガを殺すために飛行機で散布されたときには、およそ500人にアレルギー反応もしくはインフルエンザ様の症状が出たと
報告されている。
[10][11] 同様の症状が、インドの全域でGM綿を扱っている農場労働者から報告されている。
[12] GMOは免疫反応を誘発する
GMOの安全性に関する専門家のアーパド・プースタイ博士は、
「あらゆる(動物)実験で一貫してみられる特徴」に、
免疫状態の変化があると言う。
[13]モンサント自身の調査においても、政府が資金を出した調査においても、
Btトウモロコシをエサにした齧歯(げっし)動物(ネズミ目)には、
大きな免疫反応が見られている。
[14][15]GM大豆が英国に導入されてすぐに、大豆アレルギーが50%も急上昇した。オハイオ州のアレルギー専門医ジョン・ボイル博士(Dr. John Boyles)は、
こう言っている。
私は、ずっと大豆アレルギーの試験をしていたことがあるが、今や大豆は遺伝子組み換えされている。
あまりにも危険だから、人には食べないように言っている。GM大豆とGMトウモロコシには、
アレルギー属性を持つ新型のタンパク質が含まれている。
[16] さらにGM大豆には、
既知の大豆アレルギー抗原が最大7倍含まれている。
[17] おそらく米国で食物アレルギーやぜんそくが
流行しているのは、遺伝子組み換えの被害だろう。
大量死する動物
インドでは、綿の収穫を終えると、
綿の畑に動物を放牧して草を食べさせる。
だが、羊飼いが羊にBt綿を食べさせると、数千頭が死んだ。
調査に当たった人は、状況証拠からすると
「羊の死亡は毒物(Bt毒素の可能性が高い)による
可能性が高い」と言っている。
[18] ある小規模な調査では、
通常の綿を食べた羊は健康なままだったが、
Bt綿を食べた羊は全頭死亡している。
アンドラプラデシの村では、過去8年間、
何事もなくバッファローは綿の草を食べていた。
2008年1月3日、
初めて13頭のバッファローがBt綿の草を食べた。
その全頭が、3日以内に死亡した。
[19]Btトウモロコシは、ドイツでも、
牛の死亡と関連付けられている。
また、フィリピンでは、馬、水牛、
鶏の死亡と関連付けられている。
[20] 実験では、リバティーリンク(Liberty Link)
トウモロコシをエサにした鶏の死亡率は2倍だった。
GMトマトをエサにしたラット40匹の内、
7匹が2週間以内に死んでいる。
[21] 最悪の事実発覚:GMOは体内に残留する
人間が食べた場合の調査という意味では
唯一公表されている調査によると、
たとえGMOを食べるのをやめても、有害なGMタンパク質が体内で生成され続けている可能性がある。
GM大豆に組み込まれた遺伝子は、
腸内のバクテリアに転送され、活動し続ける。
[22]もしBt遺伝子も転送されるのであれば、
トウモロコシのチップを食べることで、
腸内のバクテリアは、
生きた農薬工場に変身することになる。
無視され拒絶される政府系科学者の警告
訴訟から公開された文書によると、
FDA(米国政府の食品医薬品局)の科学者は、
GM食品がアレルギー、毒、新しい病気、
栄養的な問題を引き起こす可能性があると警告していた。
[23]それでもホワイトハウスは、
FDAにバイオテクノロジーを推進するように命じ、
モンサント社の弁護人を務めたマイケル・テーラー(Michael Taylor)がFDA(政府)のGMO政策を率いた。
彼は、GMOには安全調査が必要ないという方針をとった。
GMO食品が安全かどうかは、モンサントなどメーカーが
判断することになったのである。
テーラーは、その後、モンサント社の副社長となり、
2009年にオバマ政権になると、再びアメリカの食品安全の権威としてFDA(政府)に配置された。
どうすれば人間モルモットから脱することができるか?
ソーク研究所(Salk Institute)の生物学者
デイビッド・シューベルト(David Schubert)は、
こう言っている。もし(GMOに)問題があるとしても、
我々がそれを知ることはないだろう。
因果関係を追跡することは困難だろうし、
いろいろな病気も相当に長い年月をかけて進展するからだ。
1996年にGM作物が導入されて9年の間に、
三つ以上の慢性病を抱えるアメリカ人は、
7%から13%に急増した。
[24] だが、人間での臨床試験も、市販後の調査もないため、
その原因がGMOかどうかは知る術がない。だから、もう調査結果を待つ必要はない。GM食品を避けるべきという医者のアドバイスに従うべきだろう。
「GMOを避ける買い物ガイド」
(www.NonGMOShoppingGuide.com)を参考にされたい。
たとえ小さな割合であっても、非GMOブランドを選ぶ人がいれば、
食品業界を動かす力となり、GM成分を除去することができるかもしれない。
今回AAEMが、非GMOの指導を打ち出したことは、
米国の食糧供給にとって節目になるだろう。
有機栽培の作物など食べ物に遺伝子組み換えの汚染があることについて、
自分は懸念しているということを農務省に言うべきだ!
遺伝子組み換えで汚染されたアルファルファ(材料とする食品を含む)は
拒絶すると農務省に意思表示しよう。
そして、遺伝子組み換えアルファルファは、農薬の使用量を大幅に増やし、
最終的に人間の健康と環境全般に有害だということを知らせよう。
FDAにも今すぐ意見を送ろう!
GMOの危険性についてもっと学び、
遺伝子組み換え食品の供給を中止させるにはどうしたらよいか知りたい場合は、www.ResponsibleTechnology.orgに有益な情報がある。
(翻訳:為清勝彦 Japanese translation by Katsuhiko Tamekiyo)
原文・関連情報
原文 Doctors Warn: Avoid Genetically Modified Food
ジェフリー・スミス氏のホームページ http://www.seedsofdeception.com/
同上、Institute for Responsible Technology http://www.responsibletechnology.org/
マーコラ博士の医療情報 Mercola.com
脚注
- http://www.aaemonline.org/gmopost.html
- Irina Ermakova, "Genetically modified soy leads to the decrease of weight and high mortality of rat pups of the first generation. Preliminary studies," Ecosinform 1 (2006): 4?9.
- Irina Ermakova, "Experimental Evidence of GMO Hazards," Presentation at Scientists for a GM Free Europe, EU Parliament, Brussels, June 12, 2007
- Irina Ermakova, "Experimental Evidence of GMO Hazards," Presentation at Scientists for a GM Free Europe, EU Parliament, Brussels, June 12, 2007
- L. Vecchio et al, "Ultrastructural Analysis of Testes from Mice Fed on Genetically Modified Soybean," European Journal of Histochemistry 48, no. 4 (Oct?Dec 2004):449?454.
- Oliveri et al., "Temporary Depression of Transcription in Mouse Pre-implantion Embryos from Mice Fed on Genetically Modified Soybean," 48th Symposium of the Society for Histochemistry, Lake Maggiore (Italy), September 7?10, 2006.
- Alberta Velimirov and Claudia Binter, "Biological effects of transgenic maize NK603xMON810 fed in long term reproduction studies in mice," Forschungsberichte der Sektion IV, Band 3/2008
- erry Rosman, personal communication, 2006
- See for example, A. Dutton, H. Klein, J. Romeis, and F. Bigler, "Uptake of Bt-toxin by herbivores feeding on transgenic maize and consequences for the predator Chrysoperia carnea," Ecological Entomology 27 (2002): 441?7; and J. Romeis, A. Dutton, and F. Bigler, "Bacillus thuringiensis toxin (Cry1Ab) has no direct effect on larvae of the green lacewing Chrysoperla carnea (Stephens) (Neuroptera: Chrysopidae)," Journal of Insect Physiology 50, no. 2?3 (2004): 175?183.
- Washington State Department of Health, "Report of health surveillance activities: Asian gypsy moth control program," (Olympia, WA: Washington State Dept. of Health, 1993).
- M. Green, et al., "Public health implications of the microbial pesticide Bacillus thuringiensis: An epidemiological study, Oregon, 1985-86," Amer. J. Public Health 80, no. 7(1990): 848?852.
- Ashish Gupta et. al., "Impact of Bt Cotton on Farmers’ Health (in Barwani and Dhar District of Madhya Pradesh)," Investigation Report, Oct?Dec 2005.
- October 24, 2005 correspondence between Arpad Pusztai and Brian John
- John M. Burns, "13-Week Dietary Subchronic Comparison Study with MON 863 Corn in Rats Preceded by a 1-Week Baseline Food Consumption Determination with PMI Certified Rodent Diet #5002." December 17, 2002
- Alberto Finamore, et al, "Intestinal and Peripheral Immune Response to MON810 Maize Ingestion in Weaning and Old Mice," J. Agric. Food Chem., 2008, 56 (23), pp 11533?11539, November 14, 2008
- See L Zolla, et al, "Proteomics as a complementary tool for identifying unintended side effects occurring in transgenic maize seeds as a result of genetic modifications," J Proteome Res. 2008 May;7(5):1850-61; Hye-Yung Yum, Soo-Young Lee, Kyung-Eun Lee, Myung-Hyun Sohn, Kyu-Earn Kim, "Genetically Modified and Wild Soybeans: An immunologic comparison," Allergy and Asthma Proceedings 26, no. 3 (May?June 2005): 210-216(7); and Gendel, "The use of amino acid sequence alignments to assess potential allergenicity of proteins used in genetically modified foods," Advances in Food and Nutrition Research 42 (1998), 45?62.
- A. Pusztai and S. Bardocz, "GMO in animal nutrition: potential benefits and risks," Chapter 17, Biology of Nutrition in Growing Animals, R. Mosenthin, J. Zentek and T. Zebrowska (Eds.) Elsevier, October 2005
- "Mortality in Sheep Flocks after Grazing on Bt Cotton Fields?Warangal District, Andhra Pradesh" Report of the Preliminary Assessment, April 2006
- Personal communication and visit, January 2009.
- Jeffrey M. Smith, Genetic Roulette: The Documented Health Risks of Genetically Engineered Foods, Yes! Books, Fairfield, IA USA 2007
- Arpad Pusztai, "Can Science Give Us the Tools for Recognizing Possible Health Risks for GM Food?" Nutrition and Health 16 (2002): 73?84.
- Netherwood et al, "Assessing the survival of transgenic plant DNA in the human gastrointestinal tract," Nature Biotechnology 22 (2004): 2.
- See memos at Biointegrity.org
- Kathryn Anne Paez, et al, "Rising Out-Of-Pocket Spending For Chronic Conditions: A Ten-Year Trend," Health Affairs, 28, no. 1 (2009): 15-25