前回の項で、
「植物ミネラル」や「植物性(or系)ミネラル」という言葉自体がおかしいと言いました。

敢えて正確に言うならば、
『植物の中に含まれる鉱物ミネラル』です。

もしくは、
『植物または植物系由来から抽出した鉱物ミネラル』と言っても良いかもしれません。



もし「植物ミネラル」と言う言葉を使うならば、
「動物ミネラル」、「魚介ミネラル」という言葉が世の中にあっても良いかと思います。

豚系ミネラル、マグロ系ミネラルなんて聞いたことがありませんw。

植物も動物も魚貝類も、
みんな地球の大地の「鉱物ミネラル」を、
さまざまな方法で吸収して生きているからです。

つまり、
『鉱物=ミネラル』だと言う科学的認識が必要です。

よって、
科学的に存在しない「植物ミネラル」は、
人がイメージで作り出した《造語》だと言ってもいいでしょう。

ミネラルのエレメント(成分・要素)である元素、
バナジウムやゲルマニウムやシリカ(ケイ素)等も、
植物性バナジウムとか植物性ゲルマニウム、
植物性シリカという名称自体がこの世に存在しないのと一緒です。

抽出法や由来がどうであれ、
カルシウムの元素記号は「Ca」、
ナトリウムの元素記号は「Na」、
マグネシウムの元素記号は「Mg」で、
すべて「植物ミネラル」ではなく、
「鉱物ミネラル」のエレメント(成分・要素)である元素なのです。

以上を前提に、
敢えて世間一般の《商品名》で使われている「植物ミネラル」という言葉を使って、
「鉱物ミネラル」と比較してみましょう。

※「植物ミネラル」とは、
『植物の中に含まれる鉱物ミネラル』、
もしくは、
『植物または植物系由来から抽出した鉱物ミネラル』という前提です。


さて、
「鉱物ミネラル」と「植物ミネラル」の、
どちらが吸収力は良いのでしょう?


『そりゃ鉱物は固いイメージだし、
吸収されやすいのは植物ミネラルの方でしょう!』…

もちろんこのイメージのために随分長い間、、
「鉱物ミネラル」=「固形物」という概念が根強かったのです。

今でも平気で、

 

 

 

「鉄の塊をなめても身体に鉄分が吸収されるわけないだろう!」とw。

実際に当時は、

ミネラルと言えば石灰岩や牡蠣の殻を焼いて砕いた粉末でしたから、
ほとんど体内に吸収されませんでした。

それに便乗するように、

「植物ミネラル」を推奨するほとんどの方はこのように言っています。

「鉱物性ミネラル」とは?

岩・石灰岩・牡蠣の殻・塩などを《粉砕》、
加工することによって作られたミネラルのことを指す。

土壌に含まれる鉱物性ミネラルは、
粒子が大きいため細胞にあまり吸収されない。

また、栄養バランスが悪く、
そのままでは鉱物性ミネラルの摂取過多により、
体に害を及ぼす。

市販されている多くのミネラルが、
この鉱物性ミネラルなのだ…。



以上の言葉は、
「植物ミネラル」の教祖とも言える、
ジョエル・ワラック(Joel D. Wallach)博士の説に基づいているものらしく、
「鉱物ミネラル」は粒子サイズが大きいので、
「植物ミネラル」よりも吸収率が悪い…と言う理論です。

実は、
『粒子サイズが大きいから悪い』と言っているだけで、
そこには何の根拠も理論もありません。

確かに「鉱物ミネラル」の新しい抽出法が開発されるまでは、
この理論は正しかったのかも知れません。

よって、
ワラック博士が講演で述べていた時点では、
まだイオン化による抽出法が一般的ではなかったため、
粉末の「鉱物パウダーミネラル」と比べたら、
「植物ミネラル」の方が吸収力が良かったに違いありません。

だから、
上記理論の中の《加工する》とは、
鉱物をすりつぶしたり、細かく粉砕する意味で使っており、
《溶かす》という抽出法が欠けている事が分かります。

当たり前の話ですが、
粉砕した鉱物と比較すれば、
「植物ミネラル」の粒子が小さいことくらい小学生だってわかるでしょう。

私が何度も言ってるように、
単一ミネラル摂取は体内のミネラルバランスを崩し、
身体に害を及ぼすことも常識になっています。

しかもこの文中には、
大きな矛盾があります。

「鉱物ミネラル」はあまり吸収されない…と言っていながら、
摂取過多により体に害を及ぼす…w。

単性ミネラル過多症もしくは単一ミネラル症候群と、
調和の取れたイオン化ミネラルは摂り過ぎた分は自動的に排出される…。


以上をごっちゃに混同している節があるからです。

現代でも昔からの認識や誤解が独り歩きしている傾向がみられ、
業界に混乱を招いているように思います。


では、本当の「鉱物ミネラル」とは?

現代でも牡蠣殻をすり潰す加工の、
「鉱物由来のパウダーミネラル」が市販されています。

確かにこれでは粒子サイズは大きいので、
吸収力は劣るでしょう。

けれどもこれらを指して金科玉条の如く、
「鉱物ミネラルの全ては吸収力が悪い!」…というのは早計です。

生体ミネラルは「鉱物ミネラル」ですが、
黒雲母花崗斑岩を元に強酸を使ってミネラルを抽出します。
(※「斑」とは風化した…という意味)

もちろん植物と言う媒体は通しませんが、
まさに「植物ミネラル」の、
《植物は根から根酸を出して鉱石を溶かし吸収…》と同様の抽出過程です。

しかも、
私たちが採掘している鉱山は、
数億年前の海から火山活動によって隆起した山系です。

農薬や放射能の害がある表土ではなく、
地下深くのトンネル工法によって鉱石を採掘しています。

(※毎回検査済み)

つまり、
生命を育んだ太古の海から隆起した、
調和の取れたミネラルたっぷりの鉱石なのです。

それを14工程により、
食用性の強酸を使用してイオン化抽出していますので、
その安全性は保健所等の定期検査により認可を受けています。
(※受けていない工場もあるので注意!)

よって、
「植物ミネラル」よりも粒子は細かい状態になります。

その単位は、
約20オングストローム=2ナノという微細な粒子です。
(※理学博士:川田薫先生調べ)

是非、
一般の「植物ミネラル」、
または「コロイドミネラル」の粒子サイズと比較してみてください。

また「植物ミネラル」は、
あくまでもその固有の植物が必要とするミネラルを摂り入れたものです。

キャベツだけを毎日かじって生活したら栄養が偏るように、
それが人間にとってベストとは限りません。

むしろ大元のミネラルバランスの整った鉱物から抽出した方が、
より多種類のミネラルをバランス良く得ることができます。

ミネラルを身体に摂り入れるに際し重要な事は、
「よりサイズが小さい事」と「より多種類である事」がポイントになります。

以上で、
『鉱物性ミネラルは粒子が大きいため、細胞にあまり吸収されない』、
『そのままでは鉱物性ミネラルの摂取過多により、体に害を及ぼす』の文章は、
生体ミネラルとはまったく異なった「鉱物ミネラル」である事が理解できたでしょうか。


さて、
前回もお話ししたように、
私は「植物ミネラル」を決して否定している訳ではありません。


植物にはミネラル以外に、
非常に大切な薬効成分や漢方に使われるものがとても多いです。

植物の生命を支える大元はミネラルであり、
植物のエレメント(成分・要素)もミネラルによって作られますが、
ミネラル以外の栄養が豊富にあるのが植物なのです。

反対に言えば、
ミネラルだけを摂取し続けて生きて行ける人はいません。
(※生体ミネラル断食は有効ですがw/by沼田医師)

ミネラルは栄養素の中心的立場であり、
核でありながら、
実は他の栄養素(ビタミン・脂質・炭水化物・タンパク質)や酵素を活かし支える補佐役なのです。

しかも、
農添化から自らの身体を犠牲にして守ってくれています。
(※キレート反応)

さらに『自分さえ良ければ…』と自己主張もしませんし、
『俺が一番偉いんだ…』と他のミネラルとも喧嘩もしません。

人間と違ってけなげで控えめですねw。

他のミネラルと協力し合って、
私たち一人ひとりの生命活動を支えるために扶け合っています。

まさに私たちもミネラルからできた子ども…、
是非見習いたいものですね。