今回はTOMIXの209系0番台(京浜東北線色)です。

 

パッケージ

4両基本セット(品番:98432)、6両増結セット(品番:98433)の2種類。どちらも10両用ブックケースに入っています。

今回は妻面にビードがない新津製の後期型がプロトタイプとなっています。車番はウラ47・48・78編成の車番インレタが封入されています。

 

商品情報(4両基本セット)

・品番:98432 

・クハ208(1号車)

 モハ208(7号車)

 モハ209(8号車・M)

 クハ209(10号車)の4両セット

・ライトユニット、M-13モーター、フライホイール付き動力を採用

・列車無線・信号炎管・避雷器、交換用行き先表示器パーツ(正面用)が付属

・1箱16720円

・2021年1月発売

 

商品情報(6両増結セット)

・品番:98433 

・モハ208(2号車)

 モハ209(3号車)

 サハ209(4号車)

 サハ208(5号車)

 サハ209(6号車)

 サハ209(9号車)の6両セット

・避雷器パーツが付属

・1箱16060円

・2021年1月発売

 

実車情報

国鉄民営化後のJR東日本では国鉄時代に製造した103系の老朽化に伴う置き換え時期が迫っており、経済状態や製造費用削減のため新たな設計思想を取り入れた車両の開発を行いました。

ステンレスを使用して構体重量の低減や編成単位で動力車比率を引き下げ(6M4T→4M6T化)ることで搭載機器を見直して車両自体の重量の削減。製造メーカーごとに製造の自由度を設け、大量製造による部品調達費用のコスト削減。製造20~30年経過時に車両の陳腐化や新技術の恩恵を受けられなくなる可能性を予見し、減価償却期間(13年)を過ぎるまで大規模な補修を行わず廃車にしても経営上問題ないことを取り入れて設計された試作車901系を製造し、それをもとに量産車として209系が製造されました。

抵抗制御からVVVFインバーター制御となり使用電力が少なくなり、また電動車比率が引き下げられたことでモーターや制御装置パンタグラフの搭載数の削減や整備個所の見直しによりランニングコストが削減されています。

1993年より集中的に京浜東北線に投入され、南武線にも少数ながら投入されました。

2007年よりE233系1000番台の投入が開始され、廃車や転属が進み2010年に京浜東北線での運用が終了しました。

運用終了後は房総地区に転用され、編成の短縮や機器更新、トイレ設置などが行われ活躍しています。
 

レビュー

〇1号車 大船寄り先頭車 クハ208-48 

クハ208-48

大船寄り先頭車のクハ208-48です。後期形(9次車)、新津車両製になります。

私の子供の頃の京浜東北線と言えばこの209系0番台でした。

 

正面

スカイブルーの帯には6ドア表記、JRマークが印刷済みとなっています。

運行番号(21A)、行先方向幕(快速大宮)、路線幕(京浜東北線)が印刷された表示器パーツが取り付け済みとなっています。

交換用行き先表示パーツが付属しており、23A 大宮、21A 大船、63A 快速大船、25A 南浦和、19A 快速南浦和、27A 東十条、07B 快速東十条、23C 蒲田、09A 快速蒲田、19A 磯子、29B 快速磯子、京浜東北線の内容となっています。側面方向幕用のステッカー類は付属しないため、私は銀河モデルのステッカーを使用しました。

ライトはLED灯、行き先上時期も併せて点灯します。正面FRP部は新規造形部品となり、ステップ下側にホーム検知センサーが設置された姿となっています。

 

側面

帯とJRマークが印刷済みです。

側面窓は車端を除いて嵌め殺しの窓でしたが、車両故障で停電、長時間の立ち往生をした際換気性能の低さから体調不良になってしまった方が続出したため、窓を開閉できるように改造が施されました。製品でも片側3か所中2か所の窓にサッシ部が印刷表現されています。

行先方向幕は銀河モデルの行き先ステッカー209系京浜東北線側面用(品番:N-556)を使用しています。

 

妻面

妻面は貫通扉なし、製造銘版つきとなります。貫通路上には換気用ルーバーがモールドで表現されています。

ビードのない妻面は東急車輛、新津車両製作所製の車両の特徴となります。

連結面側のカプラーはTOMIXのTNカプラー(品番:0381)と交換しています。

 

屋根

ラジオアンテナ、クーラーパーツは別パーツになっています。列車無線アンテナ、信号炎管はユーザー取り付けパーツとなります。

無線アンテナの位置や車端部の雨どい、ランボードの処理などは川重製と異なるようで、今回のモデルはストレートになっているようです。

2019年に発売された限定品の7次車セットでは川重製の車両も入るので比較するにはもってこいだそうです。

 

〇7号車  モハ208-95

モハ208-95

7号車のモハ208-95です。モハ209形とユニットを組む電動車で、電動車比率が下げられたため編成中に2両連結されています。

 

妻面(大船寄り)

大船寄りの妻面です。扉ありで製造銘版が設置されたものになっています。

 

側面

表記類は先頭車と同じ。床下機器はタンク、SIV、CP、蓄電池箱類が取り付けられています。

 

妻面(大宮寄り)

大宮寄りの妻面は貫通扉なし、ステップありとなります。

 

屋根

屋根はラジオアンテナとクーラーが取り付けられています。

 

○8号車 モハ209-95(M) 

モハ209-95

8号車のモハ209-95です。7号車のモハ208-95とユニットを組むM車で、基本セットのモハ209には動力ユニットが取り付けられています。

 

妻面(大船寄り)

上野寄りの妻面は扉なし、配管・銘版・ステップ有となっています。

 

側面

床下機器はVVVFインバーターが取り付けられています。

 

妻面(大宮寄り)

大宮寄りの妻面は扉あり、配管なしになります。

 

屋根

小型のPS28Bパンタグラフ、ヒューズ箱が取り付けられています。

 

パンタ部

配管はモールドで表現されています。パンタグラフは避雷器パーツを選択して取り付けるようになっています。

PS28Bパンタグラフは分売パーツ(品番:0236)で販売されています。

 

○10号車 大宮寄り先頭車 クハ209-48

クハ209-48

大宮寄り先頭車のクハ209-48です。

 

正面

スカートは実車の通りシンプルな黒一色。ダミーカプラー脇のジャンパ栓が向かって右側に移動しました。

 

側面

1号車と異なり床下機器にはCP関係機器とタンク類が取り付けられています。

 

妻面(大船寄り)

大船寄りの妻面は扉なし銘版有になります。屋根は1号車と同じなので割愛。

 

↓以下、6両増結セット。

〇2号車 モハ208-96

モハ208-96

2号車のモハ208-96です。

先に出たモハ208-95と同じなので割愛。

 

〇3号車 モハ209-95

モハ209-96

3号車のモハ209-96です。増結セットのモハ209はT車となります。レイアウトによってモーター車数を増やす場合は分売パーツの動力ユニットFW(M-13・DT61付) 品番:7857を取り付けるようになります。

 

側面

三菱製のVVVFインバーターが設置されています。三菱系のインバーター装置はパワーユニットが相ごとに小型の物が使用されていますね。209系のGTOインバーター音が結構好きで、後継の500番台、派生型のE217系やりんかい線70-000形は機器更新でその音が聞けなくなってしまい、現在では地下鉄直通用に作られた1000番台ぐらいしかその音を出す車両はありませんね。

 

〇4号車 サハ209-176

サハ209-176

4号車のサハ209-176です。電動車比率を下げるため編成中に当初は4両、後に3両連結される中間車になります。

昔は基本セットで1両程度入り、残りは単品売りという組み合わせだったため、探すのが難しいことがあったそうですね。

 

妻面(大船寄り)

大船寄りの妻面は貫通扉なし、銘版有になります。

 

側面

M車に主要機器を集中搭載しているため、T車は簡素なものになっています。

 

妻面(大宮寄り)

大宮寄りの妻面は貫通扉なし、銘版なしになります。屋根はモハ208と同じなので割愛。

 

〇5号車 サハ209-175

サハ209-175

5号車のサハ209-175です。サハ209-176と同じなので割愛。

 

〇6号車 サハ208-12

サハ208-12

209系でおなじみの6ドア車両サハ208-12です。209系登場当初は全車4ドア車で構成されていましたが、混雑緩和の為山手線の205系で採用された6ドア車サハ204形をベースに開発された車両です。

編成中1両が6号車に組み込まれ、全車4ドア車で落成した編成は6号車のサハ209をこのサハ208に置き換え、捻出したサハ209を新造編成に組み込むこととなり、一部編成では東急・新津製の編成に川崎製の車両が1両組み込まれたりもしました。

後年、東急電鉄も混雑緩和の為田園都市線向け5000系にこの車両の設計をベースにしたサハ5400、5500、5800形を製造し、最大3両連結して使用していました。

 

妻面(大船寄り)

大船寄りの妻面は貫通扉なし、銘版有になります。

 

側面

扉が6か所、ドア間の窓は小型でイスは折り畳み式3人掛け、車端部の窓は無しのドアだらけの車両になります。スペース上行先方向幕の設置は行われませんでした。

 

6ドア表記

扉上には6DOORSのステッカーが印刷済みとなっています。

 

妻面(大宮寄り)

大宮寄りの妻面は貫通扉なし、銘版なしになります。

 

屋根

屋根は209系に搭載されているAU720と違い、大容量のAU722形が搭載されています。

 

比較

上がAU720(サハ209)、下がAU722(サハ208)です。大型になりファンが2基搭載されています。

 

〇9号車 サハ209-174

サハ209-174

9号車のサハ209-174です。他のサハ209と同じなので割愛。

 

1編成導入

発売されたばかりでしたが、IMONセールでお安くなっていたので購入しました。

子供の頃の京浜東北線と言えば209系でしたので前から欲しい製品でしたが、編成によって川重製、東急製、新津製、さらに混結とバリエーションが多く、バラで集めるのもなかなか大変だと思っていたところでしたので、セットで販売してくれたのはありがたかったですね。

現在は房総地区や一部伊豆急行で活躍を始めたこの顔の209系。また乗りに行ってみたいですね。