オリジナル・ジャケはヨットに乗った帽子の女性で、モノラルですが、
これはBOXセットのもので、ステレオ・ヴァージョンのジャケ違いです。
ちなみにモノ・ヴァージョンの女性は当時の奥方フランシス・テイラーで
「ESP」のジャケの女性と同一だそうです。
なんとマイルスは全篇でフリューゲルホーンを吹いており、
オリジナル・ジャケのデザインからして、イージー・リスニング的な作りによって、
より大衆化しようとした制作上の意図があったのかも知れません。
マイルス&ギル・オーケストラ、編成的には「クールの誕生」の2倍の編成。
フリューゲルホーンという楽器の特性上、ムーディーな音作りを目指した、
と考えざるを得ないわけで、ジャズ・ファンにはつまらないか?と言えば、
けっしてそうでもなく、ギルの繊細なオーケストレーションに乗っかって、
マイルスのリリカルな一面がクローズアップされた名盤だと思います。
後の「アランフェス」に繋がりそうな「Blues For Pablo」での
ブルージーでいて、所々にスパニッシュな香りのするアレンジは素晴らしいですね。