本作リリース時点で30歳を迎えたフレンチ・ポップ・シンガーのパトリシア・カース。
フィル・ラモーンをプロデューサーに迎え、全曲英語のアルバムをレコーディング、
ビル・ウィザーズやダスティ・スプリングフィールド、プリンスなどの曲を取り上げ、
ほぼ完成してたのですが、英語で唄うとしっくりこない、と本人がダメだしをし、
作り直したアルバムです。
本作にもダイアン・ウォーレンやカントリー界のライル・ラヴェットの曲、
そしてジェイムズ・テイラーの「寂しい夜」をJTとデュエットしてるんですよ。
「寂しい夜」と言えば、エリック・クラプトンやマイケル・ブレッカー、
ディヴィッド・サンボーン、アイズレィ・ブラザーズ、ナンシー・ウィルスン、
ジョン・ピザレリ、そしてなんとアルバート・キングなんかにもカヴァーされた名曲です。
この曲は元々、最初から構想にあった曲なので英語で唄われており、
あとの曲ははすべて仏語です。
さて、JTの曲ですが、もちろんオリジナル・ヴァージョンは
男性の視点で書かれたものですが、ここでは男女の掛け合いでで唄われており、
ちょっと寂しげなJTのヴァージョンとは違い、どこか明るいんだよね。
その上、パートが交代する度に転調するので、ちょっとスリリング?
JTとパトリシアの接点は直接的には無いと思われますので、
フィル・ラモーンのコーディネートのおかげでしょう。