『ポリグラムUSAのオリジナル・マスターテープよりデジタル・マスタリング。
今、ブラウニーが生の迫力で甦える!』
サラ・ヴォーンのアルバムの4日後にはブラウニーはヘレン・メリルの唄伴に
付き合うことになります。
どうですか? この眉間にしわを寄せて唄うヘレンのジャケ。
LPの曲順は実際のレコーディングの順番とはかなり違うのですが、
A-1「Don't Explain」からして、気だるいムード、
そしてブラウニーの唄伴のベストと言われるA-2「You'd Be So Nice To Come Home To」、
ジミー・ジョーンズのシンプルなピアノ・ソロに続くブラウニーのソロは唄心満点!
クィンシー・ジョーンズがブラウニーを活かすためにわざと他のインスト・パートを
質素にした? とも思える憎い演出です。
そしてワタシの一番好きなA-3「What's New」、
実際はこのセッションの一番最後にレコーディングされたトラックなのですが、
しっとり唄いあげるヘレンのヴォーカル・パートを引き継ぎ、
ブラウニーのソロが始まるのですが、緩急変化をつけたソロが素晴らしいです。
クィンシーの目論見通り、ヘレンとブラウニーにのみスポットを当てた本作ですが、
「オレがオレが...」とでしゃばることもなく、
気が付けばブラウニーのソロが一番印象に残るレコーディングでした。