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BILL EVANS TRIO 「AT MONTREUX JAZZ FESTIVAL」     1968

『1968年6月15日、この歴史的なコンサートは
この年の優秀LPであり、最優秀録音賞をも獲得しました。』

 モントルーのライヴ盤といえば、まず最初に思い浮かべるのが、
このビル・エヴァンスの「お城のアルバム」でしょう。

 ジャック・デジョネット、エディ・ゴメスを従えたトリオは
ロマンティックでかつリリカルな世界を構築しています。
A-2「A Sleeping Bee」でのリリカルな美しさは賞賛に値します。

 またA-4「Nardis」での珍しくアグレッシヴなピアノ、
そしてそれに呼応するかのような緊張感溢れるベースとドラムスも聴きモノです。
そして美しくも切ないソロ・プレイB-1「愛するポギー」、
同じくB-2「あなたのくちづけ」、B-3「エンブレイサブル・ユー」での
筆舌に尽くし難い美しさは一体何なんでしょう?
特に後者でのエディ・ゴメスのベース・ソロも素晴らしく、
スコット・ラファロを失って以来、こんなに活き活きとしたコンビネーションは
初めてでしょう。

 でも何と言っても一番の聴きモノはA-1「One For Helen」です。
プロデューサーのヘレン・キーン女史に捧げたもので、
このミディアム・テンポでの官能美とも言える美しさは何度聴いてもうっとりさせられます。