『97年欧州ツアーにて、パリに到着したスティングが自ら共演を申し出た巨匠デュオが、
彼と名曲「フィールズ・オブ・ゴールド」をコラボレートし、新たなる境地をみせる最新作。
スティングの音楽制作に多大なる影響を与えているワールド・ミュージックとは。
答えはこの中にある。』
邦題は「フィールズ・オブ・ゴールド フィーチャリング・スティング」
イ・ムヴリニはコルシカ島出身のアラン&ジャン・フランソワのベルナルディニ兄弟による
グループです。コルシカというと、仏領のイメージが強いですが、
過去の歴史の中で、伊統治時代、英支配時代などを経て、最終的には仏領となったようです。
ですからこのグループはイタリア語で唄います。
というか、仏語も英語も堪能だけど、ルーツを大事にする意味でも
コルシカ語で歌っているようです。
さてスティング作の「Fields Of Gold」、ここでは「Terre D'Oru」というタイトルで
スティングの英語とジャン・フランソワのコルシカ語で交互に唄われますが、
どうも両者の語感がしっくりこなく、アレンジもオリジナル通りで面白味に欠けます。
ただ、イ・ムヴリニだけでプレイされた曲はフォーキーでもあり、
またイタリアン・プログレぽく聴こえる曲もあって興味深いです。
欧州ゴールド・ディスクを獲得したこのアルバム、原題は「LEIA」となってますが、
スティングが1曲だけ参加したことによって、タイトルは「FIELDS OF GOLD」に
差し替えられ、12曲目に配されてたタイトル曲を1曲目に持ってくるなど、
いかにもスティングというネーム・ヴァリューでアピールしようとする
販促上の戦略がミエミエで、ちょっと恥ずかしくなっちゃいますね。
コルシカ島という雑多な文化の入り混じったところの人達なので、
イタリアンなところやスパニッシュな部分やフレンチな香りも混じって
いかにも "ワールド・ロック・ミュージック" といった雰囲気です。(笑)