永年、このアルバムを聴いてて感じるのは、
マイク・ブルームフィールドとアル・クーパーのセッションなのに、
そこにピンチヒッターとして参加したスティーヴ・スティルスが同等に扱われている、
という点が納得いきません。
バッファロー・スプリングフィールド解散後、ジュディ・コリンズと同棲してたスティルス、
アル・クーパーとレコーディングを進めていたブルームフィールドが倒れ、
急遽、ピンチヒッターとしてお声がかかったスティルス、
クーパー&ブルームフィールドとしてレコーディングをまっとうできてれば、
タイトルも違ったはず...。
急遽スティルスが加わったため、セッション的なレコーディングになった?
クーパー色が強く打ち出されたソウルフルなナンバーよりも
ブルームフィールド主導型のブルーズ色満載の「Albert's Shuffle」や「Really」
そしてボートラの「Blues For Nothing」でのギター・プレイに惹かれます。
当時のホワイト・ブルーズ・ギタリストでここまでタメを活かし、"間" を上手く表現できたのは
ブルーム・フィールドとピーター・グリーンだけでしょう。
クラプトンなどは足元にも及ばなかったはず。
さて、スティルスは、というと、あくまでもピンチヒッターにすぎず、
オリジナルをひっさげてプレイしてるわけでもなく、
プログラム通りの曲をブルームフィールドの替りに演奏させられてる、って感じです。
スティルスのギター・プレイには特筆すべきものはありませんが、
ポップな雰囲気を醸し出す、といった効果はあったかも...。
ソングライターとしての以降のスティルスは多いに評価すべきでしょうが、
ギタリストとしては、ワウやフェイズなどに頼らざるを得ないギタリストだったのでしょう。
C,S&Nなどに代表される"スーパー・グループ" といったユニットが
芽生える以前の、パーマネント・ユニットを前提としないセッションの記録としては
歴史的な意義があるとは思うのですが...。
惜しむらくは、ブルームフィールドがセッションをまっとうできなかったことです。