「ミッチェル」という短編集の中の「ミッチェル」とは、
片岡さんの愛聴するジョニ・ミッチェルの歌詞をカードに書き写して、
それをシャッフルして日本語に訳したものだそうです。
選ばれた23曲の詩はすべてジョニの詩なのに、
できあがったものはしっかり "片岡ワールド" になってるんだよね。
この "カード遊び" による、風景のイメージングは
もちろん読む人のイマジネーションの仕方によってさまざまな風景が
描かれるんだろうけど、
英詩が和訳される時に引かれるものと、日本語によって足されるものの
バランスによってニュアンスが変わってくるところが面白いよね。
でも、あくまでも女性が主人公なんだよね。
そういった点ではジョニの本質は失われなかったんだなぁ。