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THE CHIEFTAINS 「TEARS OF STONE」     1998

 年が明けてすぐに旧式PCが不調、とりあえず、今、俄かに復活しましたが、
これがまたホンモノかどうか?
春には新調の予定です。
それまで、騙し騙し使うことにします。(笑)



 本作は女性の愛というテーマを女性シンガーをゲストに迎えレコーディングされた作品です。
ボニー・レイット、ジョニ・ミッチェル、ザ・コアーズ、シニード・オコーナー、
メアリー・チェイピン・カーペンター、ジョーン・オズボーン、ダイアナ・クラール他、
そして日本からは矢野顕子さん、という豪華ゲストです。

 ジョニ・ミッチェルと矢野さんを除いては、基本的にはトラッドをベースにしたものです。
各々が一家言を持つシンガーばかりで、チーフタンズの面々もシンガーの魅力を
最大限に引き出すべく、少々控えめにも聴こえるバッキングです。

 トラッドですから当然、唄の内容には物語性があるわけで、
愛する人を戦場へ送り出す女性とか、愛する人を失ってしまった女性などの気持ちを
みなさん心を込めて唄ってくれています。どれも甲乙つけがたい出来上がりだと思いますよ。
特にジョニや矢野さん、そしてザ・コアーズなどは彼女ら本来の個性満載で
素晴らしいですよ。

 さて、矢野さんの「Sake In The Jar」、
彼女のデビュー・アルバム「JAPANESE GIRL」の "AMERICAN SIDE" "日本面" の
両方に収録されていた青森市ねぶた祭りをモチーフにした曲で、
チーフタンズのパディ・モローニの曲と繋げられており、
言うなれば、ジャパニーズ・トラッドとアイリッシュ・トラッドの合体ともいえる曲で
両者の懐の深さを思い知らされるテイクです。

 本作をレコーディングするにあたって、実現しなかったシンガーとして
アリサ・フランクリンとシェリル・クロゥの名前が挙がってますが、
アリサあたりは是非聴いてみたかったですね。
ワタシ的にはカサンドラ・ウィルスンなども加えて欲しかった...。

 ダンス・チューン風の曲を除いては、しっとり聴かせる曲ばかりで、
ホント素晴らしい企画だと思いますよ。
ダイアナ・クラールの「Danny Boy」のヴォーカルと、モローニのティン・ホイッスル、
そしてラッセル・マローンのギター、この3者のコンビネーションは素晴らしい!

 それにしても国内盤のくせして、原詩も訳詞も載せないなんてズルイ!
特にゲール語で唄われた唄なんか、ぜんぜん内容わかりません。(笑)