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MADREDEUS 「O ESPIRITO DA PAZ(陽光と静寂)」     1994

『それはさまよう魂にさした一筋の光。
テレーザ、あなたの歌声に僕の心は癒される。
前作「海と旋律」との衝撃的な出会いから一年。
ヨーロッパの新しい感性 "マドレデウス" が繰り広げる
アコースティックを超えた美しい音風景。』

 この音世界は、どうも夜明けの海とかを想像しちゃっていけませんなぁ。(笑)

 1曲目の「コンセルティーノ」は4つの楽曲から成り立っており、
インストを経てテレーザのヴォイスの「運命」~「静寂」へと続く人生の悲哀を
表現したかのようなサウンド、そして "死" へと導く「静寂」。
この静かで美しいサウンド、ヴォイス、2ギター、チェロ、アコーディオン、キーボードという
6人編成なのですが、シンセサイザーを多用したキーボードが無くても、
この静寂な空間は表現できたんじゃないか...と思ったりします。

 また「祈り」という曲、その詩(訳詞)は

  明星が夜明けを告げる
  
  陽光(ひかり)が私を抱き締める
  願わくばこの魂の炎を消さないでおくれ
  
  私の愛 この情熱
  朝の光でさえもおまえの瞳の輝きにはかなうまい
  
  祈りを呼びかける時がきた
  私は声を上げて歌う

 先行き不安なこの時代に、このマドレデウスの音、とりわけテレーザの唄声には
我々が抱く不安を払拭してくれるような静かで美しい、そしてどこか懐かしい響きがあるのです。