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MADREDEUS 「EXISTIR(海と旋律)」     1990

『世界一ことばの美しい国。
叙情詩人達が哀愁を込めて歌っていた国。
そして長きに渡り人間のいとなみを見つめつづけてきた国。
ポルトガルのリスボンから、すばらしい贈り物が届いた。』

 このマドレデウスというグループ、ポルトガルのファドに室内楽風の雰囲気を加え、
テレーザ・サルゲイロという女性(デビュー時17歳)の透き通ったヴォーカルを
前面に出した、民俗色あふれる集団です。
編成は、ヴォーカル、ギター、チェロ、アコーディオン、シンセサイザーといった構成です。

 世界的に認知されるのはもうちょっと後になってからですが、
この2作目「海と旋律」はヨーロッパでは大ヒットとなります。

 オープニングの無伴奏の「夜明け」でのユニゾン・スキャットは、
まさに闇の中から日が昇りつつある神秘を感じさせます。
また日本でもCMに使われた「海と旋律」、海で写したジャケ写真のように
メロディやテレーザの声からも、どこか暗い海を連想します。
そこに吹き渡る風...みたいな郷愁感ですね。


 ブラジル音楽の「サウダーヂ」は元々ファドなどのポルトガル音楽の「サウダーデ」が
オリジンだと思われますので、演奏形態は違いますが、郷愁感や哀愁感は同じで、
聴く度に心が休まるような気がします。
(最近、ある在日ブラジル人のかたに聞いたのですが、近年はポルトガルのポルトガル語よりも
"ブラポル"(ブラジルのポルトガル語)のほうが主流だとか...)