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NICK DRAKE 「PINK MOON」     1971

 3作目にして遺作となってしまったアルバム。
デビュー作の「FIVE LEAVES LEFT」、そして前作の「BRYTER LAYTER」同様、
陰鬱ななかにも美しさを散りばめた作品です。

 「暗鬱な」「死」「悲壮感」...ニック・ドレイクを聴いたヒトの印象は
こんなところでしょうか。本作がラスト・アルバムであるし、
亡くなってから評価され始めた人なので、そのような印象は仕方がないでしょう。

 アコギの弾き語りが中心なのですが、唄以上に、このアコギの朴訥とした音、
時折、美しく輝く瞬間があります。
特に「Things Behind The Sun」などはメロディも美しいうえに、
変則チューニングによる伴奏が「暗」から一瞬「陽」を垣間見せるようなところもあり、
この時期、抗鬱剤を服用し、外界とのコミュニケーションもほとんどなかった、
と言われる彼に残された力強さみたいなものを感じさせられます。

 ワタシは彼のアルバムを聴くときは、その生き様、死に様といった既成事実を
意識せずに、美しい部分、あるいは力強いところを意識して探すようにしています。

 さて次回の「70’s」はサイモン&ガーファンクルの「明日に架ける橋」を予定しています。