ゴナーズでサニー・ランドレスをフィーチャーし、ツァーもやってたハイアットですが、
今回はメジャーのキャピトルを離れ、なんと自主製作でアコースティック・アルバムを
作っちゃいました。ギター2本とベース、といったドラムレスのトリオ。
(必要に応じてそこらへんのモノを叩いたパーカッション、マンドリンなども含む。)
タイトル・チューンの「Crossing Muddy Waters」は自殺した妻を唄ったものと言われ、
「川は広く、深く、そして茶色く濁っている 涙にくれる私と幼い娘を残し
彼女は泥だらけの川を渡って行く...」
といったきわめてプライヴェイトな痛みを唄った痛々しい唄で、
アコースティックな伴奏に乗せた内省的な響きがなんとも言えません。
全編アコースティックなアルバムは、多分彼のキャリアで初めてだと思うのですが、
様々なルーツを消化しているハイアット、ヘンな気負いもなく実にしみじみと聴かせてくれます。
異色作には違いありませんが、かなり質の高い作品であることには違いありません。